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August 15, 2013 Vol. 369 No. 7

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C 型肝炎ウイルス遺伝子型 1 型感染に対するファルダプレビルとデレオブビル
Faldaprevir and Deleobuvir for HCV Genotype 1 Infection

S. Zeuzem and Others

背景

C 型肝炎ウイルス(HCV)慢性感染患者の治療において,インターフェロンを用いないレジメンは大きな前進となる.

方 法

ファルダプレビル(faldaprevir)(プロテアーゼ阻害薬)とデレオブビル(deleobuvir)(非ヌクレオシド系ポリメラーゼ阻害薬)に関する第 2b 相無作為化非盲検試験において,未治療の HCV 遺伝子型 1 型感染患者 362 例を,次の 5 つの群のいずれかに無作為に割り付けた:ファルダプレビル 120 mg 1 日 1 回+デレオブビル 600 mg 1 日 3 回にリバビリンを併用して 16,28,40 週間投与(それぞれ TID16W 群,TID28W 群,TID40W 群);ファルダプレビル 120 mg 1 日 1 回+デレオブビル 600 mg 1 日 2 回にリバビリンを併用して 28 週間投与(BID28W 群);ファルダプレビル 120 mg 1 日 1 回+デレオブビル 600 mg 1 日 3 回をリバビリンを併用せずに 28 週間投与(TID28W-NR 群).主要エンドポイントは,治療終了後 12 週の時点でのウイルス排除(sustained virologic response:SVR)とした.

結 果

主要エンドポイントに達した患者は,TID16W 群で 59%,TID28W 群で 59%,TID40W 群で 52%,BID28W 群で 69%,TID28W-NR 群で 39%であった.治療終了後 12 週の時点での SVR 率に,リバビリンを含むレジメン間では,治療期間や投与量による有意差は認められなかった.SVR は,TID28W 群が TID28W-NR 群と比較して有意に高かった(P=0.03).治療終了後 12 週の時点での SVR 率は,遺伝子型 1b 型感染患者では 56~85%であったのに対し 1a 型感染患者では 11~47%であり,IL28B の遺伝子型が CC の患者では 58~84%であったのに対し CC 以外の患者では 33~64%であった.有害事象は発疹,光線過敏症,悪心,嘔吐,下痢の頻度が高かった.

結 論

ファルダプレビルとデレオブビルにリバビリンを併用するインターフェロンを用いない治療を受けた患者において,治療終了後 12 週の時点での SVR 率は 52~69%であった.(Boehringer Ingelheim 社から研究助成を受けた.SOUND-C2 ClinicalTrials.gov 番号:NCT01132313)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 630 - 9. )