エンテロウイルス 71 型（EV71）は，小児における手足口病の主な原因であり，致死的な場合もある．EV71 に対するワクチンが必要とされている．

中国の広西チワン族自治区において，生後 6～71 ヵ月の健常な小児を対象として無作為化二重盲検プラセボ対照第 3 相試験を行った．小児に不活化 EV71 ワクチンまたはプラセボを 4 週間隔で 2 回筋肉内接種し，最長 11 ヵ月間モニタリングした．主要エンドポイントは EV71 に起因する手足口病に対する防御とした．

12,000 人がワクチン接種またはプラセボ接種に無作為に割り付けられた．ワクチンを接種した 549 人で血清中和抗体が測定された．セロコンバージョン率は，ワクチン 2 回接種後 4 週の時点で 100%であり，幾何平均抗体価は 170.6 であった．2 回の流行期間中のワクチンの有効率は，intention-to-treat 解析では 97.4%（95%信頼区間 [CI] 92.9～99.0），per-protocol 解析では 97.3%（95% CI 92.6～99.0）であった．有害事象は，発熱（ワクチン接種児では 41.6%に発生したのに対し，プラセボ接種児では 35.2%に発生）などが，接種後の 1 週間にワクチン接種児においてプラセボ接種児よりも有意に高頻度に認められた．

不活化 EV71 ワクチンによって，EV71 特異的免疫応答と，EV71 に関連する手足口病に対する防御が誘導された．（中国国家重点基礎研究発展計画ほかから研究助成を受けた．ClinicalTrials.gov 番号：NCT01569581）