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August 28, 2014 Vol. 371 No. 9

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大腸腺腫切除後の長期的な大腸癌死亡率
Long-Term Colorectal-Cancer Mortality after Adenoma Removal

M. Løberg and Others

背景

大腸腺腫切除後の患者には,大腸内視鏡によるサーベイランスを行うことが広く推進されているが,これらの患者における大腸癌死亡率はほとんど明らかにされていない.

方 法

ノルウェーのがん登録と死因登録をリンクさせ,1993~2007 年に大腸腺腫切除を受けた患者における大腸癌死亡率を推定した.患者を 2011 年まで追跡した.比較のため,ノルウェー人全体の大腸癌死亡率から,発生率に基づく標準化死亡比(SMR)を算出した.ノルウェーのガイドラインでは,大腸内視鏡によるサーベイランスは高リスク腺腫(高悪性度異形成腺腫,絨毛腺腫,10 mm 以上の腺腫)の患者には 10 年後,腺腫が 3 個以上あった患者には 5 年後に行うことが推奨され,低リスク腺腫の患者には推奨されなかった.登録データからはポリープの大きさと正確な数は得られなかった.この研究では,多発性腺腫,絨毛腺腫,高悪性度異形成腺腫を,高リスク腺腫と定義した.

結 果

大腸腺腫切除患者 40,826 例を同定した.追跡期間中央値 7.7 年(最長 19.0 年)で,1,273 例が大腸癌の診断を受けた.腺腫を切除した患者における大腸癌による期待死亡数は 398 例,観察死亡数は 383 例であり,SMR は 0.96(95%信頼区間 [CI] 0.87~1.06)であった.大腸癌死亡率は,高リスク腺腫の患者では上回ったが(期待死亡数 209,観察死亡数 242,SMR 1.16,95% CI 1.02~1.31),低リスク腺腫の患者では低くなった(期待死亡数 189,観察死亡数 141,SMR 0.75,95% CI 0.63~0.88).

結 論

追跡期間中央値 7.7 年の時点で,一般集団の大腸癌死亡率と比較して,低リスクの大腸腺腫を切除した患者における大腸癌死亡率は低く,高リスクの大腸腺腫を切除した患者ではやや高かった.(ノルウェー対がん協会ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 799 - 807. )