October 1, 2015 Vol. 373 No. 14
関節症性乾癬の患者に対するセクキヌマブによるインターロイキン-17A の阻害
Secukinumab Inhibition of Interleukin-17A in Patients with Psoriatic Arthritis
P.J. Mease and Others
第 2 相試験では,インターロイキン-17A 受容体の阻害によって関節症性乾癬の徴候と症状が改善された.関節症性乾癬の患者を対象として,抗インターロイキン-17A モノクローナル抗体セクキヌマブの有効性と安全性の評価を試みた.
第 3 相二重盲検試験において,関節症性乾癬の患者 606 例を,0 週,2 週,4 週の時点でセクキヌマブ(10 mg/kg 体重)を静脈内投与したのち,4 週ごとにセクキヌマブ 150 mg を皮下投与する群,75 mg を皮下投与する群,プラセボを投与する群に 1:1:1 の割合で無作為に割り付けた.プラセボ群の患者は,16 週または 24 週の時点での臨床反応に応じて,セクキヌマブ 150 mg または 75 mg の皮下投与に切り替えた.主要評価項目は,24 週の時点で,米国リウマチ学会(ACR)の基準である ACR20 反応(圧痛関節数・腫脹関節数と,ほかの重要項目の 3 項目以上で,ベースラインから 20%以上の改善)を示す患者の割合とした.
24 週の時点での ACR20 反応率は,セクキヌマブ 150 mg 群(50.0%)と 75 mg 群(50.5%)が,プラセボ群(17.3%)よりも有意に高かった(プラセボ群との比較においてともに P<0.001).副次的評価項目の ACR50 反応率,関節の構造的損傷なども,セクキヌマブ群の 2 群がプラセボ群よりも有意に良好であった.改善は 52 週間を通して持続した.カンジダなどの感染症は,セクキヌマブ群でより多くみられた.試験期間中(セクキヌマブ曝露日数の平均 438.5 日,プラセボ曝露日数の平均 128.5 日)に,セクキヌマブ群では 4 例で脳卒中(100 患者年あたり 0.6 件,95%信頼区間 [CI] 0.2~1.5),2 例で心筋梗塞(100 患者年あたり 0.3 件,95% CI 0.0~1.0)が発生したのに対し,プラセボ群ではいずれも発生しなかった.
セクキヌマブは,関節症性乾癬の患者に対してプラセボよりも高い有効性を示した.これは,インターロイキン-17A が治療標的となることを証明するものである.感染症の頻度は,セクキヌマブ群のほうがプラセボ群よりも高かった.この試験は,まれかつ重篤な有害事象や長期使用に伴うリスクを評価するには,規模も期間も不十分であった.(Novartis Pharma 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01392326)