The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 21, 2016 Vol. 375 No. 3

大学内での B 群髄膜炎菌集団感染発生時に接種したワクチンの免疫原性
Immunogenicity of a Meningococcal B Vaccine during a University Outbreak

N.E. Basta and Others

背景

2013 年 12 月,米国の大学 1 校で発生した B 群髄膜炎菌(Neisseria meningitidis B)の集団感染に対応するため,米国食品医薬品局(FDA)が特別に考慮し,認可前の多成分血清型 B 群髄膜炎菌(4CMenB)ワクチンが使用された.流行株は,ワクチン抗原(H 因子結合蛋白 [fHbp] とナイセリアヘパリン結合抗原)と密接に関連する抗原を発現していたため,ワクチン接種により集団感染は制御されることが示唆された.われわれは,集団感染発生中に 4CMenB によって誘導された免疫応答を定量化した.

方 法

ワクチン接種状況の評価と,血清殺菌抗体(SBA)の抗体価をヒト補体(hSBA)を用いる測定法で定量化するための血清検体収集を目的として,学生の血清有病率調査を行った.流行株,流行株と密接に関連する参照株(44/76-SL,fHbp 含有),流行株とは一致しない参照株(5/99,ナイセリアアドヘシン A 含有)が陽性であったワクチン接種者・非接種者の割合を比較した.ワクチン開発にはこの 2 つの参照株が使用された.血清反応は,hSBA 抗体価が 4 以上で陽性と定義した.

結 果

4CMenB ワクチンを 10 週の間隔をあけ 2 回接種した 499 例では,66.1%(95%信頼区間 [CI] 61.8~70.3)が流行株に対して陽性であったが,幾何平均抗体価は 7.6(95% CI 6.7~8.5)と低かった.ワクチンを 2 回接種したが流行株に対して検出可能な防御反応が認められなかった 61 例の無作為サブグループでは,接種者の 86.9%(95% CI 75.8~94.2)が 44/76-SL 株に対して陽性であり,幾何平均抗体価は 17.4(95% CI 13.0~23.2)であり,一方,5/99 株に対しては接種者の 100%(95% CI 94.1~100)が陽性で,幾何平均抗体価が高かった(256.3,95% CI 187.3~350.7).流行株に対する反応性には,44/76-SL 株に対する反応性とは中程度の相関が認められたが(Pearson 相関係数 0.64,P<0.001),5/99 株に対する反応性との相関は認められなかった(Pearson 相関係数 -0.06,P=0.43).

結 論

2 回目の 4CMenB ワクチン接種後 8 週の時点で,接種者の 33.9%では,流行株に対する hSBA 反応性が認められなかったが,接種を受けた学生で B 群髄膜炎菌に起因する髄膜炎菌疾患は報告されなかった.(プリンストン大学ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 375 : 220 - 8. )