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September 28, 2017 Vol. 377 No. 13

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2 型糖尿病におけるエキセナチド週 1 回投与の心血管転帰への効果
Effects of Once-Weekly Exenatide on Cardiovascular Outcomes in Type 2 Diabetes

R.R. Holman and Others

背景

2 型糖尿病患者の通常治療にエキセナチドの週 1 回投与を追加した場合の心血管系に対する効果は明らかにされていない.

方 法

2 型糖尿病患者を,心血管疾患の既往の有無を問わず,エキセナチド徐放剤 2 mg を週 1 回皮下注射する群と,マッチさせたプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.心血管系の原因による死亡,非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中のいずれかの初回発生を主要複合転帰とした.エキセナチドの週 1 回投与が,安全性に関してはプラセボに対して非劣性を,有効性に関してはプラセボに対して優越性を示すことを主要仮説とした.

結 果

14,752 例(うち 10,782 例 [73.1%] は心血管疾患の既往あり)を,中央値 3.2 年間(四分位範囲 2.2~4.4)追跡した.主要複合転帰は,エキセナチド群では 7,356 例中 839 例(11.4%,100 人年あたり 3.7 件),プラセボ群では 7,396 例中 905 例(12.2%,100 人年あたり 4.0 件)に発生し(ハザード比 0.91,95%信頼区間 [CI] 0.83~1.00),intention-to-treat 解析では,エキセナチドの週 1 回投与は,安全性に関してはプラセボに対して非劣性を示したが(非劣性の P<0.001),有効性に関してはプラセボに対して優越性を示さなかった(優越性の P=0.06).心血管系の原因による死亡,致死的・非致死的心筋梗塞,致死的・非致死的脳卒中,心不全による入院,急性冠症候群による入院の発生率,ならびに急性膵炎,膵癌,甲状腺髄様癌,重篤な有害事象の発生率に群間で有意差は認められなかった.

結 論

2 型糖尿病患者では,心血管疾患の既往の有無を問わず,エキセナチドを投与した例とプラセボを投与した例とで,主要有害心血管イベントの発生率に有意差は認められなかった.(Amylin Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.EXSCEL 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01144338)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2017; 377 : 1228 - 39. )