The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 14, 2019 Vol. 380 No. 11

流産手術に対する予防的抗菌薬の無作為化試験
A Randomized Trial of Prophylactic Antibiotics for Miscarriage Surgery

D. Lissauer and Others

背景

自然流産の一部の症例では,遺残した子宮内容物を除去するために外科的介入が必要とされる.骨盤内感染症は,資源の乏しい国々ではとくに,流産手術の重要な合併症であるが,抗菌薬の予防投与によりそのリスクが低下する可能性がある.

方 法

資源の乏しい国々の女性と思春期女児を対象に,自然流産を完了させるための手術の前に行う抗菌薬の予防投与によって骨盤内感染症が減少するかどうかを検討する,二重盲検プラセボ対照無作為化試験を行った.患者を,経口ドキシサイクリン 400 mg と経口メトロニダゾール 400 mg を術前に単回投与する群と,それらと外観上識別不能なプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.主要転帰は,術後 14 日以内の骨盤内感染症とした.骨盤内感染症は,4 つの臨床的特徴(膿性腟分泌物,発熱,子宮圧痛,白血球増多)のうち 2 つ以上を認めること,またはこれらのうち 1 つを認め,抗菌薬投与の必要性が臨床的に判断されることと定義した.この定義はデータの盲検解除前に変更されたもので,最初の厳格な定義は臨床的特徴を 2 つ以上認めることであり,抗菌薬投与への言及はなかった.

結 果

マラウイ,パキスタン,タンザニア,ウガンダで 3,412 例を組み入れた.1,705 例が抗菌薬群に,1,707 例がプラセボ群に割り付けられた.骨盤内感染症のリスクは,抗菌薬群 4.1%(妊娠 1,676 件中 68 件),プラセボ群 5.3%(1,684 件中 90 件)であった(リスク比 0.77,95%信頼区間 [CI] 0.56~1.04,P=0.09).最初の厳格な基準に基づき骨盤内感染症と診断された割合はそれぞれ 1.5%(1,700 件中 26 件)と 2.6%(1,704 件中 44 件)であった(リスク比 0.60,95% CI 0.37~0.96).有害事象に群間で有意差は認められなかった.

結 論

流産手術前の抗菌薬の予防投与により,実用的な広範な基準で定義した骨盤内感染症のリスクは,プラセボと比較して有意には低下しなかった.(英国医学研究評議会ほかから研究助成を受けた.AIMS 試験:Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN97143849)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 1012 - 21. )