The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 31, 2019 Vol. 380 No. 5

維持血液透析中の患者における鉄静注
Intravenous Iron in Patients Undergoing Maintenance Hemodialysis

I.C. Macdougall and Others

背景

鉄静注は血液透析患者に対する標準治療であるが,臨床的に有効なレジメンに関する比較データは限られている.

方 法

エンドポイントの評価を盲検化した多施設共同非盲検試験において,維持血液透析を受けている成人を,高用量の鉄スクロースの積極的静脈内投与(400 mg 月 1 回,フェリチン濃度>700 μg/L またはトランスフェリン飽和度≧40%でなければ投与)を受ける群と,低用量の鉄スクロースの反応に応じた静脈内投与(0~400 mg 月 1 回,フェリチン濃度<200 μg/L またはトランスフェリン飽和度<20%を鉄投与の目安とする)を受ける群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中,心不全による入院,死亡の複合とし,初回イベントまでの時間の解析で評価した.これらのエンドポイントは再発イベントとしても解析した.その他の副次的エンドポイントは,死亡,感染率,赤血球造血刺激因子製剤の投与量などとした.高用量群の低用量群に対する非劣性は,主要エンドポイントのハザード比の 95%信頼区間上限が 1.25 を超えない場合に確立するものとした.

結 果

2,141 例が無作為化された(高用量群 1,093 例,低用量群 1,048 例).追跡期間中央値は 2.1 年であった.高用量群の患者の 1 ヵ月あたりの鉄投与量の中央値は 264 mg(四分位範囲 [25~75 パーセンタイル] 200~336)であったのに対し,低用量群では 145 mg(四分位範囲 100~190)であった.1 ヵ月あたりの赤血球造血刺激因子製剤投与量の中央値は,高用量群で 29,757 IU,低用量群で 38,805 IU であった(差の中央値 -7,539 IU,95%信頼区間 [CI] -9,485~-5,582).主要エンドポイントのイベントは高用量群では 320 例(29.3%)で発生したのに対し,低用量群では 338 例(32.3%)で発生した(ハザード比 0.85,95% CI 0.73~1.00,非劣性の P<0.001,優越性の P=0.04).再発イベントとしてのエンドポイントの解析では,高用量群では 429 件,低用量群では 507 件のイベントが発生した(率比 0.77,95% CI 0.66~0.92).感染率は 2 群で同等であった.

結 論

血液透析患者では,積極的に投与する高用量鉄静注レジメンの,反応に応じて投与する低用量レジメンに対する優越性が示され,赤血球造血刺激因子製剤の投与量も少なかった.(キドニーリサーチ UK から研究助成を受けた.PIVOTAL 試験:EudraCT 登録番号 2013-002267-25)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 447 - 58. )