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February 7, 2019 Vol. 380 No. 6

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市中細菌性肺炎に対するオマダサイクリン
Omadacycline for Community-Acquired Bacterial Pneumonia

R. Stets and Others

背景

オマダサイクリン(omadacycline)は,1 日 1 回で静脈内または経口投与可能な新規アミノメチルサイクリン系抗菌薬であり,肺組織で高濃度に達し,市中細菌性肺炎を引き起こす一般的な病原菌に対して活性を示す.

方 法

二重盲検試験で,市中細菌性肺炎(肺炎重症度分類 [PSI] クラス II,III,IV)の成人を,1:1 の割合でオマダサイクリン群(100 mg を 12 時間間隔で 2 回静脈内投与し,その後は 24 時間ごとに投与)とモキシフロキサシン群(400 mg を 24 時間ごとに静脈内投与)に無作為に割り付けた.3 日間投与した後,それぞれオマダサイクリンの経口投与(300 mg を 24 時間ごと),モキシフロキサシンの経口投与(400 mg を 24 時間ごと)への移行を可能とし,総投与期間は 7~14 日とした.主要評価項目は早期臨床効果とし,他の抗菌薬による救済治療を受けることなく,72~120 時間の時点で 4 つの症状(咳嗽,喀痰産生,胸膜痛,呼吸困難)の少なくとも 2 つが改善し,症状の悪化なく生存していることと定義した.副次的評価項目は,最終投与から 5~10 日後の投与後評価の時点での担当医師の評価による臨床効果とし,臨床効果は徴候・症状がそれ以上の抗菌薬療法が不要なレベルまで消失または改善することと定義した.非劣性マージンは 10 パーセントポイントとした.

結 果

intention-to-treat 集団は,オマダサイクリン群 386 例,モキシフロキサシン群 388 例であった.オマダサイクリンは,早期臨床効果に関してモキシフロキサシンに対する非劣性を示し(それぞれ 81.1%と 82.7%,差 -1.6 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -7.1~3.8),投与後評価で担当医師に臨床効果ありと評価された割合はそれぞれ 87.6%と 85.1%であった(差 2.5 パーセントポイント,95% CI -2.4~7.4).投与開始後に発現した有害事象は,オマダサイクリン群の 41.1%とモキシフロキサシン群の 48.5%で報告され,もっとも頻度が高かったのは消化器系有害事象(それぞれ 10.2%と 18.0%)であり,発現率の差がもっとも大きかったのは下痢(1.0%と 8.0%)であった.12 例(オマダサイクリン群 8 例,モキシフロキサシン群 4 例)が試験中に死亡した.

結 論

オマダサイクリンは,成人の市中細菌性肺炎の治療において,モキシフロキサシンに対して非劣性を示した.(パラテックファーマシューティカルズ社から研究助成を受けた.OPTIC 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02531438)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 517 - 27. )