The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 7, 2019 Vol. 380 No. 6

急性間欠性ポルフィリン症に対する RNA 干渉療法の第 1 相試験
Phase 1 Trial of an RNA Interference Therapy for Acute Intermittent Porphyria

E. Sardh and Others

背景

δ-アミノレブリン酸合成酵素 1(ALAS1)遺伝子の発現誘導と神経毒性のある中間体の蓄積は,ヘム生合成のまれな遺伝性疾患である急性間欠性ポルフィリン症患者において,内臓神経性発作や疾患の症状発現につながる.ギボシラン(givosiran)は,肝臓の ALAS1 合成を阻害する開発段階の RNA 干渉治療薬である.

方 法

急性間欠性ポルフィリン症患者を対象にギボシランの第 1 相試験を行った.試験のパート A では,最近ポルフィリン症発作のない(すなわちベースライン前の 6 ヵ月間に発作がない)患者を,ギボシランの 5 段階の用量(0.035,0.10,0.35,1.0,2.5 mg/kg 体重)のいずれか,またはプラセボの単回皮下注射に無作為に割り付けた.パート B では,最近発作のない患者を,ギボシランの 2 用量(0.35 mg/kg または 1.0 mg/kg)のいずれか,またはプラセボの単回皮下注射に無作為に割り付けた(28 日間隔で計 2 回注射).パート C では,再発性発作のあった患者を,ギボシランの 2 用量(2.5 mg/kg または 5.0 mg/kg)のいずれか,またはプラセボの,12 週の期間の初日に開始する,月 1 回の注射(計 4 回)または四半期に 1 回の注射(計 2 回)に無作為に割り付けた.安全性,薬物動態,薬力学,探索的有効性の結果を評価した.

結 果

パート A と B では計 23 例,パート C では 17 例が無作為化された.頻度の高かった有害事象は,鼻咽頭炎,腹痛,下痢などであった.重篤な有害事象は,パート A から C まで合わせて,ギボシランの投与を受けた 6 例に発現した.パート C では,ギボシランの月 1 回の注射に割り付けられた 6 例全例において,ALAS1 メッセンジャー RNA(mRNA),δ-アミノレブリン酸,ポルフォビリノーゲンの正常に近いレベルまでの減少が持続していた.このような減少は,平均年間発作率がプラセボで観察された発作率と比較して 79%低いことに関連した(探索的有効性エンドポイント).

結 論

ポルフィリン症の再発性発作のあった患者において,ギボシランの月 1 回の注射は,発現した有害事象は主に低グレードであり,ALAS1 mRNA の誘導のレベルを低下させ,神経毒性のある中間体であるδ-アミノレブリン酸とポルフォビリノーゲンの濃度をほぼ正常化させ,発作率をプラセボで観察された率より低下させた.(Alnylam Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02452372)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 549 - 58. )