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July 8, 2021 Vol. 385 No. 2

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尋常性乾癬に対するビメキズマブとセクキヌマブとの比較
Bimekizumab versus Secukinumab in Plaque Psoriasis

K. Reich and Others

背景

ビメキズマブ(bimekizumab)は,インターロイキン-17A とインターロイキン-17F の両方を選択的に阻害する IgG1 モノクローナル抗体である.中等症~重症の尋常性乾癬患者に対するビメキズマブの,インターロイキン-17A のみを選択的に阻害するセクキヌマブと比較した有効性と安全性について,広範な検討は行われていない.

方 法

第 3b 相試験で,中等症~重症の尋常性乾癬患者を,ビメキズマブ 320 mg を 4 週ごとに皮下投与する群と,セクキヌマブ 300 mg を週 1 回 4 週目まで投与し,その後 4 週ごとに 48 週目まで皮下投与する群に,1:1 の割合で無作為に割り付けた.16 週の時点で,ビメキズマブを投与していた患者を,維持投与を 4 週ごとに 48 週目まで行う群と 8 週ごとに 48 週目まで行う群に,1:2 の割合で再度無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,16 週の時点における乾癬の面積・重症度指数(PASI)スコアのベースラインから 100%の改善(PASI 100)とした.主要解析では,マージンを -10 パーセントポイントとしてビメキズマブのセクキヌマブに対する非劣性を検証し,その後優越性を検証した.

結 果

1,005 例がスクリーニングを受け,743 例が組み入れられ,373 例がビメキズマブの投与を受ける群,370 例がセクキヌマブの投与を受ける群に割り付けられた.16 週の時点で,PASI 100を達成したのはビメキズマブ群の 230 例(61.7%)とセクキヌマブ群の 181 例(48.9%)であり(補正リスク差 12.7 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] 5.8~19.6),ビメキズマブのセクキヌマブに対する非劣性と優越性が示された(非劣性および優越性の P<0.001).48 週の時点では,ビメキズマブの投与を受けた患者の 250 例(67.0%)が PASI 100 を達成したのに対し,セクキヌマブの投与を受けた患者では 171 例(46.2%)であった(補正リスク差 20.9 パーセントポイント,95% CI 14.1~27.7,P<0.001).4 週の時点では,ビメキズマブ群の 265 例(71.0%)で PASI スコアがベースラインから 75%以上改善していたのに対し,セクキヌマブ群では 175 例(47.3%)であった(補正リスク差 23.7,95% CI 17.0~30.4,P<0.001).口腔カンジダ症の発現頻度は,ビメキズマブ(72 例,19.3%)のほうがセクキヌマブ(11 例,3.0%)よりも高かった.

結 論

中等症~重症の乾癬患者に対するビメキズマブは,16 週間および 48 週間の投与期間では,セクキヌマブよりも皮疹の消失効果が大きかったが,口腔カンジダ症(試験担当医師の記録によれば大部分が軽度または中等度)と関連した.乾癬に対するインターロイキン-17 阻害薬の相対的な効果とリスクを明らかにするためには,より長期かつ大規模な試験が必要である.(ユーシービーファーマ社から研究助成を受けた.BE RADIANT 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03536884)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2021; 385 : 142 - 52. )