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August 26, 2021 Vol. 385 No. 9

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Phe508del–ゲーティング遺伝子型および Phe508del–機能残存遺伝子型の囊胞性線維症に対する 3 剤併用療法
Triple Therapy for Cystic Fibrosis Phe508del–Gating and –Residual Function Genotypes

P.J. Barry and Others

背景

エレクサカフトール(elexacaftor)+テザカフトール(tezacaftor)+アイバカフトール(ivacaftor)は,低分子の囊胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)修飾薬レジメンである.Phe508del アレルを少なくとも 1 個有する患者に対する有効性が示されており,この併用療法が 1 個の Phe508del アレルを修飾できることを示している.CFTR のほかのアレルのゲーティング変異または機能残存変異を有し,既存の CFTR 修飾薬(アイバカフトール,またはテザカフトール+アイバカフトール)ですでに効果が得られている患者が,Phe508del CFTR 蛋白の機能を回復させることでさらなる利益が得られるかどうかは明らかにされていない.

方 法

Phe508del–ゲーティング遺伝子型または Phe508del–機能残存遺伝子型の囊胞性線維症を有する 12 歳以上の患者を対象として,第 3 相二重盲検無作為化実薬対照試験を行った.4 週間の導入期間にアイバカフトール,またはテザカフトール+アイバカフトールを投与したあと,患者をエレクサカフトール+テザカフトール+アイバカフトールを 8 週間投与する群と対照実薬を投与する群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,エレクサカフトール+テザカフトール+アイバカフトール群における,予測 1 秒量に対する比率(%FEV1)のベースラインから 8 週目までの絶対的変化量とした.

結 果

導入期間後,132 例がエレクサカフトール+テザカフトール+アイバカフトール,126 例が対照実薬の投与を受けた.エレクサカフトール+テザカフトール+アイバカフトール群では,%FEV1 はベースラインと比較して 3.7 パーセントポイント(95%信頼区間 [CI] 2.8~4.6),対照実薬群と比較して 3.5 パーセントポイント(95% CI 2.2~4.7)高く,汗中塩化物イオン濃度はベースラインと比較して 22.3 mmol/L(95% CI 20.2~24.5),対照実薬群と比較して 23.1 mmol/L(95% CI 20.1~26.1)低かった(すべての比較で P<0.001).囊胞性線維症質問票改訂版(CFQ-R)の呼吸器領域のスコア(0~100 で,スコアが高いほど QOL が高いことを示す)のベースラインからの変化量は,エレクサカフトール+テザカフトール+アイバカフトール群で 10.3 ポイント(95% CI 8.0~12.7),対照実薬群で 1.6 ポイント(95% CI -0.8~4.1)であった.有害事象の発現率は 2 群で同程度であり,投与中止にいたった有害事象は,エレクサカフトール+テザカフトール+アイバカフトール群では 1 例(アミノトランスフェラーゼ上昇),対照実薬群では 2 例(不安または抑うつ,呼吸器症状の増悪)に発現した.

結 論

Phe508del–ゲーティング遺伝子型または Phe508del–機能残存遺伝子型を有する患者において,エレクサカフトール+テザカフトール+アイバカフトールは有効かつ安全であり,既存の CFTR 修飾薬と比較してさらなる利益をもたらした.(バーテックス ファーマシューティカルズ社から研究助成を受けた.VX18-445-104 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04058353)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2021; 385 : 815 - 25. )