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March 17, 2022 Vol. 386 No. 11

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同種および異種の Covid-19 ワクチンのブースター接種
Homologous and Heterologous Covid-19 Booster Vaccinations

R.L. Atmar and Others

背景

新型コロナウイルス感染症(Covid-19)に対して米国で緊急使用承認を受けた 3 つのワクチンは有効性が高いものの,ブレイクスルー感染が発生している.ワクチン接種を完了した人における同種ブースター(最初のワクチンと同じもの)および異種ブースター(最初のワクチンとは異なるもの)の連続的実施に関するデータが必要である.

方 法

米国の 10 施設で行われた第 1・2 相非盲検臨床試験で,12 週以上前に 1 つの Covid-19 ワクチンレジメンを完了しており,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)感染歴の報告されていない成人を対象として,次の 3 つのワクチンのいずれかでブースター接種を行った:mRNA-1273 ワクチン(モデルナ社)100 μg,Ad26.COV2.S ワクチン(ジョンソン・エンド・ジョンソン社–ヤンセン社)ウイルス粒子 5×1010 個,BNT162b2 ワクチン(ファイザー社–ビオンテック社)30 μg.主要エンドポイントは試験の 15 日目と 29 日目における安全性,反応原性(副反応),液性免疫原性とした.

結 果

試験に組み入れた 458 例のうち,154 例が mRNA-1273 ワクチン,150 例が Ad26.COV2.S ワクチン,153 例が BNT162b2 ワクチンのブースター接種を受け,1 例は割り付けられたワクチンの接種を受けなかった.反応原性は最初の接種について報告されているものと同様であった.接種者の半数以上が注射部位疼痛,倦怠感,頭痛,筋肉痛を報告した.すべての組み合わせで,SARS-CoV-2 スパイク蛋白の D614G 変異を発現するシュードウイルスに対する中和抗体価は 4~73 倍に上昇し,結合抗体価は 5~55 倍に上昇した.同種ブースターでは中和抗体価が 4~20 倍に上昇したのに対し,異種ブースターでは 6~73 倍に上昇した.スパイク特異的 T 細胞応答は,Ad26.COV2.S ワクチンの同種ブースター接種を受けたサブグループを除いて,すべてのサブグループで増加した.CD8 陽性 T細胞数は最初に Ad26.COV2.S を接種した人でより持続し,最初にmRNA ワクチンを接種した人では,Ad26.COV2.S ワクチンによる異種ブースター接種によりスパイク特異的 CD8 陽性 T 細胞が大幅に増加した.

結 論

同種および異種のブースターワクチンは許容可能な安全性プロファイルを有し,12 週以上前に Covid-19 ワクチンの最初のレジメンを完了した成人において免疫原性を示した.(米国国立アレルギー・感染症研究所から研究助成を受けた.DMID 21-0012 試験:ClinicalTrials.gov 番号 NCT04889209)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 386 : 1046 - 57. )