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February 3, 2022 Vol. 386 No. 5

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タンザニアにおける小児期早期の蚊帳の使用と成人期までの生存
Mosquito Net Use in Early Childhood and Survival to Adulthood in Tanzania

G. Fink and Others

背景

マラリアの伝播率の高い環境では,小児期早期(5 歳未満)にマラリアを制御することで機能的免疫の獲得が遅れ,小児死亡がより後期に移行する可能性があるという仮説が立てられている.

方 法

タンザニア南部農村地域における 22 年間の前向きコホート研究のデータを用いて,殺虫剤処理された蚊帳の幼少期の使用と成人期までの生存との関連を推定した.研究対象地域で 1998 年 1 月 1 日~2000 年 8 月 30 日に出生したすべての児に,1998 年から 2003 年までの縦断研究への登録を呼びかけた.成人の生存転帰は,2019 年に地域支援活動と携帯電話を通じて確認した.Cox 比例ハザードモデルを用いて,小児期早期の殺虫剤処理された蚊帳の使用と成人期までの生存との関連を,交絡の可能性のある因子を調整して推定した.

結 果

6,706 例が登録された.2019 年に,5,983 例(89%)の生存状況に関する情報を確認した.地域支援活動による幼少期の訪問の報告によると,児の約 1/4 は就寝時に殺虫剤処理された蚊帳を一度も使用せず,1/2 はときどき使用し,残り 1/4 は常に使用していた.幼少期の訪問の半数以上で殺虫剤処理された蚊帳を使用していると回答した参加者では,そのように回答したのが訪問の半数未満であった参加者と比較して,死亡のハザード比は 0.57(95%信頼区間 [CI] 0.45~0.72)であった.5 歳から成人期までについては,同ハザード比は 0.93(95% CI 0.58~1.49)であった.

結 論

マラリアの伝播率の高い環境における幼少期のマラリア制御に関するこの長期研究において,幼少期の殺虫剤処理された蚊帳の使用による生存への利益は成人期まで持続した.(Eckenstein-Geigy Professorship ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 386 : 428 - 36. )