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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 18, 2003
Vol. 349 No. 25

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 良性前立腺肥大症の臨床的進展に対するドキサゾシン,フィナステリドの単剤または併用療法の長期効果
    Long-Term Effect of Doxazosin, Finasteride, or Both on the Clinical Progression of Benign Prostatic Hyperplasia

    良性前立腺肥大症の臨床的進展に対するドキサゾシン,フィナステリドの単剤または併用療法の長期効果

    この長期試験では,α遮断薬(ドキサゾシン)と 5α還元酵素阻害薬(フィナステリド)の併用は,いずれかの薬剤の単独療法よりも良性前立腺肥大症の臨床的な進展を遅らせることにおいて優れていた.

    良性前立腺肥大症は,60 歳以上の男性によくみられる疾患で,苦痛を伴う症状を引き起し,ときに侵襲的な治療が必要となる.この慎重に行われた研究の知見が,この疾患の内科的管理を変えるかもしれない.

  • 全身性エリテマトーデスにおいて促進される粥状硬化症
    Accelerated Atherosclerosis in Systemic Lupus Erythematosus

    全身性エリテマトーデス(SLE)患者では心筋梗塞のリスクが高い.この研究では,SLE 患者およびマッチさせた対照被験者において,超音波検査を用いて頸動脈の粥状硬化の程度を検討した.SLE 患者は,心血管疾患の従来の危険因子と関連のない若年性粥状硬化症を有していた.

    SLE 患者における若年性粥状硬化症は,慢性的な炎症など疾患関連因子によって促進される可能性がある.この研究と Asanuma ら(本誌今週号に掲載)による研究の知見は,SLE 患者における血管疾患を予防するための介入の必要性を指摘している.

  • 全身性エリテマトーデスにおける若年性冠動脈粥状硬化症
    Premature Coronary Atherosclerosis in Systemic Lupus Erythematosus

    冠動脈疾患は全身性エリテマトーデス(SLE)患者の重大な死因である.この研究では電子ビームコンピュータ断層撮影を用いて,SLE 患者およびマッチさせた対照被験者において冠動脈石灰化を評価した.冠動脈石灰化は対照群よりも患者群において頻度が高く,より広範で,より低い年齢で起っていた.

    この知見は,従来の冠動脈に関する危険因子では説明し得ないものである.SLE 患者の血管疾患を予防するための新規の方法が必要である.

  • 航空機内での SARS の伝播
    Transmission of SARS on Aircraft

    この入念な調査は,重症急性呼吸器症候群(SARS)患者を乗せた 3 便の乗客と乗務員への問診に基づいて行われている.22 人が,それらの 1 便へ搭乗後平均 4 日で発症した.リスクは,症状を発現していた発端患者の前 3 列以内に座った乗客でもっとも高かった(相対リスク 3.1).

    SARS は,感染者が航空機で多くの国へ移動したことによって,世界的危機へと発展した.伝播のリスクを減らすための対策が必要である.

HEALTH POLICY REPORT

  • 産学連携
    The Academic–Industrial Alliance

    この“Health Policy Report”は,米国における学術機関と産業組織との関係の歴史について概説し,この分野における最近の発展についても論じている.産学の関係は,有用性の高い医学的進歩の発展と普及を促進させてきたが,財政的な利害の対立をももたらし,臨床研究試験に登録された被験者の福利と研究過程の誠実性を脅かしてきた.著者は,被験者と研究の誠実性を守るために,産学関係を管理する戦略を概説している.

CLINICAL PRACTICE

  • クラミジア感染症
    Chlamydial Infection

    クラミジア感染症

    19 歳の女性が,避妊に関するカウンセリングのためにプライマリケア医を受診している.女性は 1 年前から性行為を開始し,3 ヵ月前から新しい性的パートナーがいる.パートナーはいまのところ断続的にコンドームを使用している.女性には内科的疾患はなく,診察でも異常はない.トラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)検査の適応であろうか?