The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

June 9, 2005
Vol. 352 No. 23

ORIGINAL ARTICLE

  • 軽度認知機能障害の治療のためのビタミン E とドネペジル
    Vitamin E and Donepezil for the Treatment of Mild Cognitive Impairment

    軽度認知機能障害の治療のためのビタミン E とドネペジル

    軽度認知機能障害患者を対象としたこの無作為試験において,アルツハイマー病への進行率は,ビタミン E 投与では低下しないことが示された.最初の 1 年間はドネペジルによる初期効果がみられたが,3 年の試験期間を通してみると,アルツハイマー病へ進行する割合はドネペジル群とプラセボ群で同程度であった.ドネペジルの副作用として,下痢,悪心,筋けいれん,不眠がみられた.

  • 石灰化大動脈弁狭窄症に対する積極的脂質低下療法
    Intensive Lipid-Lowering Therapy in Calcific Aortic Stenosis

    石灰化大動脈弁狭窄症に対する積極的脂質低下療法

    石灰化大動脈弁狭窄症は高齢者に比較的多く,アテローム性動脈硬化症や高コレステロール血症に関連することが明らかにされている.この研究において,アトルバスタチンによる積極的脂質低下療法は,低比重リポ蛋白コレステロール値を平均 63±23 mg/dL に低下させたものの,期待に反し,大動脈弁狭窄の進行(大動脈弁のジェット血流速度により評価)や大動脈弁石灰化(ヘリカル CT スキャンにより評価)に対する効果はないことが明らかになった.

  • 腹部大動脈瘤に対する従来の手術と血管内修復術の比較
    Conventional vs. Endovascular Repair of Abdominal Aortic Aneurysms

    腹部大動脈瘤の血管内修復術により,従来の外科的手術に伴うリスクの大部分が回避される.2 つの無作為試験において,血管内修復術は,周術期の罹患率および死亡率の低下と関連していることが示された.これらの試験のうちの 1 つ(Dutch Randomized Endovascular Aneurysm Management [DREAM] 試験)から得られたより長期の追跡データは,血管内修復術の生存率に関する優位性は,術後 1 年以降は維持されないことを示している.

  • 多巣性甲状腺乳頭癌におけるクローンの独立性
    Clonal Independence in Multifocal Papillary Thyroid Carcinoma

    多巣性甲状腺乳頭癌におけるクローンの独立性

    多巣性甲状腺乳頭癌では,個々の病巣が独立して発生するのか,あるいは原発腫瘍の甲状腺内での転移により生じるのか明らかではない.この研究では,女性でみられる X 染色体の不活性化を利用して,そのような病巣を調べた.5 例の腫瘍では,すべての病巣がそれぞれ異なる X 染色体不活性化パターンを示し,独立した起源が示唆された.別の 5 例の腫瘍については,結果は不確定なものであった.
    多巣性甲状腺乳頭癌において,個々の腫瘍巣の起源が独立していることは,甲状腺癌に対して環境的感受性あるいは遺伝的感受性があることを示唆している.このような種類の腫瘍は,積極的治療が必要であると考えられる.

MECHANISMS OF DISEASE

  • カルパインと疾患
    Calpains and Disease

    カルパインは,Ca2+依存性蛋白分解酵素の大きなファミリーに属する.カルパインには,組織特異的なものもあれば遍在性のものもあり,多数の細胞内蛋白を分解する能力を有するため,疾患を引き起したり疾患に寄与したりする可能性が高い.この総説では,カルパインの構造および機能と,ある種の筋ジストロフィー,2 型糖尿病,白内障,アルツハイマー病への関与について概説している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 背部痛,下肢痛,および呼吸不全を呈する女性
    A Woman with Back and Leg Pain and Respiratory Failure

    22 歳の女性が呼吸不全のため転院してきた.女性には鎌状赤血球貧血の既往があり,他院に入院する前日に背部痛と下肢痛がみられた.呼吸不全は,他院で鎌状赤血球発症の治療を受けている最中に起った.転院後,補助換気,一酸化窒素投与,交換輸血を行ったが,低酸素血症は回復せず,患者は死亡した.部検が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 肺癌における癌遺伝子発現の制御
    Controlling the Expression of Oncogenes in Lung Cancer

    RAS 癌遺伝子を調節する新しい機序が明らかにされている.この機序は,肺癌の発生に関与している可能性がある.