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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

November 17, 2005
Vol. 353 No. 20

ORIGINAL ARTICLES

  • 肥満に対する生活習慣の変更と薬物療法
    Lifestyle Modification and Pharmacotherapy for Obesity

    この無作為対照試験では,肥満成人 224 例を,1 年間にわたる 4 種類の減量療法のいずれかに割付けた.割付け群は,シブトラミン投与のみを行う群,集団療法による生活習慣変更のみを行う群,シブトラミンと生活習慣変更の併用療法を行う群,シブトラミン+医師による生活習慣変更に関する簡単なカウンセリングを行う群とした.併用療法群は,薬物療法のみの群や生活習慣変更のみの群と比べて,体重の減少が大きかった.このことは,減量薬を,生活習慣変更の代りにではなく,生活習慣の変更の指導と併せて処方することの重要性を強調するものである.

  • 肥満患者に対するリモナバン
    Rimonabant for Obese Patients

    リモナバンは選択的カンナビノイド 1 受容体遮断薬である.この臨床試験では,リモナバンを投与した結果,中等度の体重減少がみられ,高比重リポ蛋白コレステロールやトリグリセリド値を含むいくつかの代謝変数が改善した.有害事象として悪心,抑うつ,不安がみられた.この薬剤は,脂質代謝異常で心血管疾患リスクの高い肥満患者の治療に役立つ可能性がある.

  • 異なる部位で発生した黒色腫の遺伝的識別
    Genetic Distinctions among Melanomas Arising at Different Sites

    紫外線曝露レベルの異なる部位で発生した 4 群の黒色腫に関する遺伝子研究から,群間で遺伝子変化が異なることが明らかとなり,各群は標的治療に対して異なる反応を示すことが示唆された.これらの知見は,黒色腫感受性に対するわれわれの理解と臨床試験デザインに影響を及ぼすものである.

  • 肺動脈性肺高血圧症に対するシルデナフィルクエン酸塩療法
    Sildenafil Citrate Therapy for Pulmonary Arterial Hypertension

    肺動脈性肺高血圧症患者を対象としたこの無作為試験において,シルデナフィル(ホスホジエステラーゼ 5 阻害薬)により,運動能力および肺の血行力学的指標が改善することが明らかになった.この試験は死亡率を評価する検出力をもたなかったが,この知見から,シルデナフィルが症候性の肺動脈性肺高血圧症の治療に役立つ可能性が示唆される.

SPECIAL ARTICLE

  • 発展途上国 5 ヵ国における子宮頸癌検査の費用対効果
    Cost-Effectiveness of Cervical-Cancer Screening in Five Developing Countries

    このインド,ケニア,ペルー,南アフリカ,タイにおける子宮頸癌のスクリーニング法の費用対効果分析では,頸部視診またはヒトパピローマウィルスの DNA 検査を用いたスクリーニングを 35 歳時に一度行うことで,子宮頸癌の発生率が 25%以上低下し,延命 1 年当りの費用は 500 ドル未満であることが示された.著者らは,発展途上国において,限られた検査設備でできる子宮頸癌のスクリーニング法は,実行可能な,費用効果の高い方法であると述べている.

CLINICAL PRACTICE

  • 避妊効果の持続する避妊法
    Long-Acting Methods of Contraception

    健康な 23 歳の経産婦が避妊についてアドバイスを求めている.女性は経口避妊薬を不定期に使用していた期間に末子を妊娠した.これ以上子供は望んでおらず,効果が高く持続性のある避妊法を求めている.女性は一夫一婦婚で,性的に活発である.16 歳のときに淋菌性子宮頸管炎の治療を受けた.月経は正常で,内診所見も正常である.どのような避妊法がこの女性に適しているであろうか?

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • センチネルリンパ節に癌細胞がみられる乳癌女性
    A Woman with Breast Cancer and Tumor Cells in a Sentinel Lymph Node

    1 cm の浸潤性乳管癌を有する 56 歳の女性が,管理に関するアドバイスを求めて乳腺総合クリニックを受診した.腫瘍摘出術と腋窩郭清により,センチネルリンパ節に転移性腫瘍の小病巣が認められた.センチネルリンパ節転移を伴う乳癌の病期分類と管理について論じている.