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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

July 21, 2005
Vol. 353 No. 3

ORIGINAL ARTICLE

  • 良性乳腺疾患と乳癌のリスク
    Benign Breast Disease and the Risk of Breast Cancer

    9,000 例を超える女性を,良性乳腺疾患の診断後,中央値で 15 年間追跡調査した.SEER データベースの女性と比較して,良性病変が異型の徴候を示す場合は,とくにその後の乳癌リスクが上昇した.乳癌の家族歴があることと診断時に若年であることも,リスクを上昇させた.癌は両側いずれの乳房にも発生したが,同側の乳房での発生がより多かった.

  • 2 型糖尿病と血液透析におけるスタチン
    Statins in Type 2 Diabetes and Hemodialysis

    スタチンにより 2 型糖尿病患者の心血管イベントが減少する.この試験では,血液透析を受けている 2 型糖尿病患者を,1 日 20 mg のアトルバスタチンまたはマッチさせたプラセボのいずれかを投与する群に無作為に割付けた.アトルバスタチンによって,すべての心臓イベントを合せた割合は減少したが,すべての脳血管イベントを合せた割合と全死亡率は減少しなかった.

BRIEF REPORT

  • 胃バイパス術後の膵島細胞症による高インスリン血症性低血糖症
    Hyperinsulinemic Hypoglycemia with Nesidioblastosis after Gastric-Bypass Surgery

    この報告は,ルーワイ胃バイパス術後の内因性高インスリン血症性低血糖によって,食後に神経低血糖症状を呈した患者 6 例について述べている.膵部分切除を行ったところ,すべての患者の低血糖症状が軽減した.著者らは,膵島の機能亢進が肥満の原因となったのではなく,むしろ,胃バイパス術の結果,β 細胞栄養因子が増加した可能性があると推測している.

SPECIAL ARTICLE

  • 標準指標によって示される米国の病院のケアの質,2002-2004 年
    Quality of Care in U.S. Hospitals as Reflected by Standardized Measures, 2002-2004

    2002 年,JCAHO は,医療の質に関する標準指標を用いた実績の報告を病院に求め,実績に対するフィードバックを提供し始めた.この研究では,2002~04 年に,心筋梗塞,うっ血性心不全,肺炎に関する病院の実績が大きく改善したことが示された.改善の幅は,ベースライン時の実績レベルが低かった病院でもっとも大きかった.

  • 米国の病院におけるケア ― 病院の質に関する 提携プログラム
    Care in U.S. Hospitals ― The Hospital Quality Alliance Program

    この研究は,急性心筋梗塞,うっ血性心不全,肺炎のケアの質について,標準指標を用いて病院の実績を調査したものである.ケアの質は,病院によって異なった.心筋梗塞とうっ血性心不全に関する指標に対する病院の実績は,肺炎に関する指標に対する実績とそれほど相関を示さず,ケアの質をモニターする試みにはさまざまな疾患を含める必要があることが示唆された.

CURRENT CONCEPTS

  • 良性乳腺疾患
    Benign Breast Disorders

    女性のおよそ 50%には,乳腺にある程度の線維嚢胞性変化を示す組織学的所見が認められる.この総説は,さまざまな良性乳腺疾患について,悪性疾患のリスクを高めるものも含めて述べている.著者らは,乳房痛,乳頭異常分泌,局所病変の評価や管理と共に,乳癌への進行を予防するための選択肢について説明している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 咳嗽,発熱,精神状態の変調を呈する男性
    A Man with Cough, Fever, and Altered Mental Status

    81 歳の男性が,2 週間にわたる咳嗽と発熱に加え,最近錯乱をきたすようになったため入院した.男性には 6 年にわたる慢性リンパ性白血病の既往があった.男性の精神状態は悪化を続け,昏睡と呼吸停止をきたした.男性は入院 12 日目に死亡した.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • アレルギーに対抗するための新戦略
    A New Strategy to Counter Allergy

    あるキメラ蛋白は,マウスモデルにおいて,ネコアレルゲンによって誘発されるアレルギー反応を抑制する.