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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 30, 2006
Vol. 354 No. 13

ORIGINAL ARTICLE

  • トリインフルエンザワクチン
    An Avian Influenza Vaccine

    この試験では,健常成人 451 例を対象に,H5N1 型インフルエンザサブビリオンワクチンの 2 回の筋肉内投与に対する反応を評価した.最高用量(赤血球凝集素 90 μg)では,被験者の 54%で中和抗体価が 40 倍以上を示した.サブビリオンワクチンは,被験者の大半で,重篤な副作用を引き起すことなく,一般にインフルエンザ予防に関連する中和抗体反応が得られた.従来の H5 型インフルエンザサブビリオンワクチンは,ヒトにおいて A(H5N1)型インフルエンザ疾患(トリインフルエンザ)の予防に有効である可能性がある.

  • 外来ガチフロキサシン治療と血糖異常
    Outpatient Gatifloxacin Therapy and Dysglycemia

    ガチフロキサシンは,低血糖と高血糖の両方に関連している.この研究では,カナダ,オンタリオ州の 66 歳以上の成人を対象に,さまざまな抗菌薬の使用に伴う血糖異常に関連する健康転帰を検討した.外来患者におけるガチフロキサシンの使用は,他のフルオロキノロン系薬を含むその他の広域スペクトル経口抗菌薬の使用と比較して,その後発症する低血糖と高血糖の両方に,明らかに関連していると考えられる.

  • 意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症
    Monoclonal Gammopathy of Undetermined Significance

    ミネソタ州オルムステッド郡の約 80%の住民の血清を,意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症についてスクリーニングした.少量の単クローン性免疫グロブリンが,50 歳以上の人口の 3.2%と,70 歳以上の人口の 5.3%で認められた.

BRIEF REPORT

  • てんかんと発達退行の遺伝的関連
    Genetic Association between Epilepsy and Developmental Regression

    この研究では,オールド・オーダー・アーミッシュ(Old Order Amish)の小児に認められた,変異型 contactin-associated protein-like 2(CASPR2)と,てんかん,皮質形成異常,発達遅滞との関連を報告している.変異 CASPR2 はてんかんを引き起し,皮質構造に影響を及ぼすことが示唆されている.

SPECIAL ARTICLE

  • 連邦政府職員に対する行動医療保険の同等化
    Behavioral Health Insurance Parity for Federal Employees

    精神衛生・薬物乱用診療の保険適用範囲を改善するため,連邦政府職員医療給付(FEHB)プログラムは,2001 年 1 月から,行動医療と一般医療の給付を同等化するよう求めた.この研究で,同等化政策は,行動医療診療の利用増加にも,それらを利用した患者の支出増大にも関連しないことが明らかにされた.

MECHANISMS OF DISEASE

  • 遺伝性蛋白尿症候群
    Hereditary Proteinuria Syndromes

    この総説では,糸球体濾過と遺伝性蛋白尿症候群の原因に関する知見の,最近の進歩について概説している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 高度異形成を伴うバレット食道を有する女性
    A Woman with Barrett's Esophagus and High-Grade Dysplasia

    66 歳の女性に,高度異形成と限局性の粘膜内腺癌を伴うバレッタ食道が認められた.女性は病的肥満のため,食道切除術の適応となる可能性は低かった.病理医と消化器専門医が,バレット食道の病態生理と管理について論じている.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • リケッチアを標的にする
    Targeting Rickettsia

    最近のある研究で,Rickettsia conorii 感染にきわめて重要な分子事象が同定された.