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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

May 25, 2006
Vol. 354 No. 21

ORIGINAL ARTICLES

  • 肺損傷の治療指標としての肺動脈カテーテルと中心静脈カテーテルの比較
    Pulmonary-Artery vs. Central Venous Catheter to Guide Therapy for Lung Injury

    血行力学的モニタリングは,急性肺損傷患者によく用いられる生理学的介入である.明確な血行力学的プロトコールにより患者ケアが指示されたこの無作為化対照試験では,肺動脈カテーテルと中心静脈カテーテルのいずれの方法でモニタリングを行っても,60 日死亡率に有意差は認められなかった.

  • 新生児の壊死性腸炎に対する腹膜ドレナージと開腹術の比較
    Peritoneal Drainage vs. Laparotomy for Necrotizing Enterocolitis in Neonates

    この多施設共同無作為化試験では,出生時体重 1,500 g 未満の早期産児における,穿孔を伴う壊死性腸炎の治療として,初回腹膜ドレナージと開腹術とを比較した.90 日後の死亡率,90 日後の完全静脈栄養への依存率,生存児の入院期間に関して,両群間に有意差は認められなかった.これらのデータは,穿孔を伴う壊死性腸炎を発症した早期産児に対する治療選択肢として,初回腹膜ドレナージと開腹術のいずれか一方の優位性を支持するものではない.

  • 臓器移植による LCMV 感染の伝播
    Transmission of LCMV Infection by Organ Transplantation

    この報告では,固形臓器移植によってリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)感染が伝播した 2 つの集積群について述べている.レシピエント 8 例のうち,7 例が死亡し,1 例はリバビリンの投与と免疫抑制療法を受け生存した.レシピエントにみられた感染の徴候は,血小板減少,凝固障害,移植片機能不全,および発熱または白血球増加などであった.

MECHANISMS OF DISEASE

  • 骨質 ― 骨の強度と脆弱性に関する物質的・構造的基盤
    Bone Quality ― The Material and Structural Basis of Bone Strength and Fragility

    この総説では,骨の組成と構造,骨のモデリングとリモデリング,成長期の骨形成と成人における骨再構築に関する知識の進歩について論じている.さらに,加齢に伴うこれらの過程の異常によって,骨の組成と構造が損なわれる仕組みについて検討している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 急激な精神の変調をきたし救急部に入院した症例
    A Sudden Change in Mental Status Leading to Admission to an Emergency Department

    72 歳の女性が,不明瞭言語と左不全片麻痺を突然発現した.救急隊が呼ばれ,女性は病院に空輸された.学際的チームの医師たちが,急性脳卒中の救急管理について論じている.

LEGAL ISSUES IN MEDICINE

  • インテリジェントな判決 ― 教室と法廷における進化論
    Intelligent Judging ― Evolution in the Classroom and the Courtroom

    Annas は,ペンシルバニア州ドーバーの公立学校でインテリジェントデザイン論を教えることを求めたカリキュラム変更に対し,米国地方裁判所が 2005 年 12 月に下した判決について論じている.判事は,インテリジェントデザイン論は自然科学ではないとし,教育委員会のカリキュラム変更は宗教的目的によるものであり,合衆国憲法修正第 1 条の国教条項に反するとの判決を下した.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 新たな免疫細胞とメシル酸イマチニブへの反応
    A New Immune Cell and the Response to Imatinib Mesylate

    消化管間質腫瘍は,免疫細胞機能に依存する方法でメシル酸イマチニブに反応することが示されている.ナチュラルキラー細胞と樹状細胞の双方と共通する性質をもつ新しい種類の免疫細胞が,この反応を仲介すると考えられる.

VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE

  • 男性の尿道カテーテル留置
    Male Urethral Catheterization

    男性の尿道カテーテル留置

    尿道カテーテル留置は,診断または治療目的で適応されることがある.適応としては,尿閉患者の膀胱の減圧,膀胱から血液や血餅を除去するための洗浄,診断のための無菌尿の採取,重症患者または外科処置時の尿量の測定,排尿後の残尿量の測定などがある.この手技ビデオでは,男性における尿道カテーテル留置法を実演している.