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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

February 16, 2006
Vol. 354 No. 7

ORIGINAL ARTICLE

  • カルシウム+ビタミン D の補給と骨折のリスク
    Calcium plus Vitamin D Supplementation and the Risk of Fractures

    カルシウムとビタミン D の補給が,健常閉経後女性の大腿骨頸部骨折およびその他の骨折の予防に有効であるかどうかは,まだ確認されていない.女性の健康イニシアティブ試験では,そのような女性 36,282 例にカルシウム+ビタミン D またはプラセボを投与し,平均 7 年間追跡した.カルシウム+ビタミン D の補給により,大腿骨頸部骨密度が緩やかではあるが有意に改善したものの,大腿骨頸部骨折は有意に減少せず,腎結石のリスクが増加した.

  • カルシウム+ビタミン D の補給と大腸癌のリスク
    Calcium plus Vitamin D Supplementation and the Risk of Colorectal Cancer

    カルシウムとビタミン D の補給は,疫学研究およびポリープ予防研究において大腸癌のリスク低下と関連していたが,無作為化試験ではエビデンスは得られていない.大腸癌の発症までの期間が長いことも関連していると考えられるが,閉経後女性 36,282 例を対象とした今回の女性の健康イニシアティブ試験では,平均 7 年間連日のカルシウム+ビタミン D の補給は,大腸癌の発生率に影響を与えないことが示された.

  • 難治性喘息における TNF-α の役割に関するエビデンス
    Evidence of a Role for TNF-α in Refractory Asthma

    重症喘息患者は,より軽度の喘息患者と区別される.重症喘息患者の末梢血単球では,腫瘍壊死因子(TNF-α)に関連したマーカーの発現量が増加していた.プラセボ対照クロスオーバーパイロット研究において,TNF-α 拮抗薬エタネルセプトにより,気道反応性と喘息関連 QOL が改善された.TNF-α は難治性喘息に関与している可能性がある.

  • 黒色腫に対するインターフェロン α -2b 治療中の自己免疫
    Autoimmunity during Treatment of Melanoma with Interferon Alfa-2b

    悪性黒色腫に対するインターフェロン α-2b に関する前向き試験において,治療中に自己抗体および自己免疫の臨床的徴候が出現することは,良好な転帰と関連していた.一方,これら自己免疫の徴候がみられなかった患者の転帰は不良であった.

SPECIAL ARTICLE

  • 配偶者の入院と夫または妻の死亡率
    Spousal Hospitalization and Partner Mortality

    メディケアのデータを用いたこの大規模研究では,患者の入院がその妻や夫の死亡率の上昇に関連していた.また,この有害な影響は配偶者の死亡による影響とは関連していなかった.この影響は疾患によって変化し,たとえば,男性の大腸癌による入院は妻の死亡リスクを上昇させなかったが,痴呆(認知症)による入院は大きな影響を与えた.

CURRENT CONCEPTS

  • 薬剤に関連した肝毒性
    Drug-Related Hepatotoxicity

    薬剤に関連した肝毒性はまれなため,新薬の初期の臨床試験では発見されないことがある.薬剤が承認され,より多くの患者が使用するようになると,きわめてまれな毒性作用が明らかになる場合がある.この総説では,このような状況で肝毒性作用の原因を特定するさいの難点を説明し,薬剤に関連した肝毒性の検出,評価,そして可能な予防法に関する臨床指針を示している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 右目の視力を喪失した女児
    A Girl with Loss of Vision in the Right Eye

    11 歳の女児が,右目が突然見えなくなったことに気づいた.検査で白色瞳孔が認められたため,女児は救急部に移送された.視力検査では,右目には光覚しか認められなかった.詳しい検査と超音波検査により,網膜剥離が判明した.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 大腸癌 ― NSAIDs の作用機序を解明する
    Colon Cancer ― Understanding How NSAIDs Work

    非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は,大腸癌感受性遺伝子 APC によって仲介される経路により,大腸癌を抑制する可能性がある.