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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 24, 2006
Vol. 355 No. 8

ORIGINAL ARTICLE

  • 50~71 歳の集団における過体重,肥満と死亡リスク
    Overweight, Obesity, and the Risk of Death among Persons 50 to 71 Years Old

    この研究では,50~71 歳の AARP の対象者 500,000 例以上において,BMI と全死因死亡リスクとの関連を前向きに検討した.死亡リスクは,男女ともに BMI の最高群と最低群で高かった.また,健康で喫煙歴のない過体重および肥満の男女でも増加していた.過体重を含む中年期の過剰な体重は,死亡リスクの増加と関連している.

  • 韓国人男女における BMI と死亡率
    Body-Mass Index and Mortality in Korean Men and Women

    この 12 年間の前向き韓国人コホート研究は,国民健康保険組合(National Health Insurance Corporation)からデータを得て実施された.全死因死亡リスクと BMI には J 字型の関連がみられ,低体重,過体重,肥満の男女では,正常体重の男女よりも死亡率が高いことが示された.BMI と死亡率との関連は死亡原因によって異なり,年齢,性別,喫煙歴によって変化する.

  • 動脈瘤症候群と TGF-β 受容体遺伝子の変異
    Aneurysm Syndromes and Mutations in TGF-β Receptor Genes

    胸部大動脈瘤や大動脈解離のような進行性の動脈瘤は,LoeysミDietz 症候群の特徴である,トランスフォーミング成長因子 β(TGF-β)受容体 1 または 2 をコードする遺伝子の変異に起因することが明らかになった.リスクを有する患者に対してこの変異の有無をスクリーニングすることで,予防措置を講じることができる可能性がある.

  • シャーガス心臓病での死亡予測
    Predicting Death in Chagas' Heart Disease

    シャーガス心臓病患者のコホートにおいて,多変量解析を用い,死亡に対する 6 つのリスク因子を同定した.リスク因子は,ニューヨーク心臓協会分類 III 度または IV 度,心拡大,左室収縮機能不全,非持続性心室頻拍,低 QRS 電位,男性であった.これらの変数をリスクスコアに組み込み,第 2 の患者コホートで検証した.

CLINICAL PRACTICE

  • ヘパリン誘発性血小板減少症
    Heparin-Induced Thrombocytopenia

    冠動脈疾患があり最近バイパス手術を受けた 63 歳の男性に,呼吸困難が現れた.検査の結果,9 日前の退院時には 225,000/mm3 であった血小板数が,86,000/mm3 であることがわかった.胸部 X 線所見に異常はなかったが,胸部スパイラル CT で肺塞栓症が認められた.ヘパリン誘発性血小板減少症が疑われた.どのような診断検査が必要であろうか? また,この患者をどのように治療すべきであろうか?

CURRENT CONCEPTS

  • ジストニア
    Dystonia

    ジストニアは運動障害で,体幹,頸部,顔面,または手足の,持続的筋収縮,反復的なねじれ運動,姿勢異常を特徴とする.ジストニアはしばしば痙縮や硬直と混同され,心因性の原因によると誤解されることさえある.この総説では,薬剤誘発性のジストニア,後天性の脳病変に関連するジストニア,遺伝性変性疾患の一部を含む,原発性ジストニアと二次性ジストニアの両方の原因と治療に関する最近の進歩を取り上げている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 歩行困難を呈する 19 歳の女性
    A 19-Year-Old Woman with Difficulty Walking

    19 歳の女性に,歩行困難と手足の有痛性攣縮が認められた.これらは午前よりも夜間に悪化し,8 歳のころから徐々に悪化していた.女性の腕には振戦が現れ,不眠,不安,過敏症も認められた.筋力低下や認知障害は認められなかった.診断検査が行われた.