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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

January 4, 2007
Vol. 356 No. 1

  • 非小細胞肺癌における 5 つの遺伝子サインと生存
    A Five-Gene Signature and Survival in Non-Small-Cell Lung Cancer

    著者らは,早期非小細胞肺癌で外科的切除を受けた患者において,5 つの遺伝子サインが転帰と密接に関連することを明らかにしている.この研究は,腫瘍の病期分類と予後予測に関する分子生物学的手法を考案する作業の最終段階に当るものである.この知見を臨床指標とするためには,この種の遺伝子サインを癌治療の前向き臨床試験に組み入れる必要があると考えられる.

    • ペットのげっ歯類と関連する多剤耐性 Salmonella enterica 血清型 Typhimurium
      Multidrug-Resistant Salmonella enterica Serotype Typhimurium Associated with Pet Rodents

      米国では,年間推定 140 万件のサルモネラ感染症が発生しているが,これらは一般に汚染された食物が原因である.この論文では,10 州で起きた,ペットとして流通しているげっ歯類に関連する Salmonella enterica 血清型 Typhimurium の集団発生について報告している.感染源は,耐性株の分子フィンガープリントによって同定された.

      • ドパミン作動薬と心臓弁逆流のリスク
        Dopamine Agonists and the Risk of Cardiac-Valve Regurgitation

        パーキンソン病治療薬と心臓弁逆流の関連を,英国の大規模な一般診療研究データベースを用いて,コホート内症例対照研究により評価した.心臓弁逆流の発生率は,ペルゴリドの最近の使用(発生率比 7.1)やカベルゴリンの最近の使用(発生率比 4.9)により上昇したが,ほかのドパミン作動薬の使用では上昇しなかった.医師は,これらの薬剤を処方するさいには心臓弁膜症のリスクを考慮すべきである.

        • ドパミン作動薬による治療中の心臓弁膜症
          Valvular Heart Disease during Treatment with Dopamine Agonists

          麦角系または非麦角系ドパミン作動薬による治療を受けているパーキンソン病患者コホートを対象に,心エコー検査による評価を実施した.健常対照者と比較して,ペルゴリドやカベルゴリンの投与を受けている患者では,臨床的に重大な弁逆流の頻度が高く,僧帽弁 tenting 面積から評価した僧帽弁尖の硬化や偏位を示す所見も多かった.

        • CLINICAL THERAPEUTICS

          • ST 上昇型心筋梗塞に対する初回 PCI
            Primary PCI for Myocardial Infarction with ST-Segment Elevation

            58 歳の男性が,午前 9 時半に胸痛を感じ,3 時間後に自分で救急車を呼んだ.救急救命士が到着し,標準的処置後,男性を近くの救急病院へ搬送した.午後 1 時に小規模な病院へ到着し,所見から ST 上昇型心筋梗塞と診断された.救急部の医師は,初回経皮的冠動脈インターベンション(primary PCI)のために,そこから 1 時間かかる病院へただちに転送することを勧めた.

          MEDICAL PROGRESS

          • ホイップル病
            Whipple's Disease

            2000 年,ホイップル病の原因としてついに Tropheryma whipplei が同定された.この多様な症状を示す慢性疾患が最初に記述されたのは,1907 年のことである.この総説では,まれで捉えどころのないこの慢性疾患の,疫学,病因論,診断,治療について論じている.

          CLINICAL PROBLEM-SOLVING

          • 手遅れになる前の染色検査
            A Stain in Time

            カナダ・オンタリオ北部出身の 45 歳の女性が,2 年間にわたり左の膝,足首,肘,指に左右非対称の移動性関節痛があるため地域病院を受診した.女性には,朝のこわばり,倦怠感の増強,紅斑,日光曝露後の非瘙痒性の発疹もあり,さらに,直立位で緩和される胸痛も 3 ヵ月続いていた.

          CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

          • p53 と癌抑制
            p53 and Tumor Suppression

            2 つのマウスモデルにおいて,電離放射線による組織損傷に対する p53 媒介性の応答は,腫瘍形成に対する防御反応を誘発しなかった.