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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 22, 2007
Vol. 356 No. 12

ORIGINAL ARTICLE

  • 米国の消防士における緊急業務と心疾患による死亡
    Emergency Duties and Deaths from Heart Disease among U.S. Firefighters

    1994~2004 年における勤務時間中の消防士の死亡に関する全米データを,消防士がさまざまな業務に費やした時間の推定比率から検討した.激しい消火活動中の冠動脈性心疾患による死亡率は,予測死亡率の約 10~100 倍であった.この研究は,消防活動が,心原性の死亡リスクが異常に高いことと関連することを示唆している.

  • NALP1 と自己免疫疾患との関連
    Implication of NALP1 in Autoimmune Disease

    17 番染色体上の領域は,疫学的関連を示す白斑などのさまざまな自己免疫性炎症性疾患と関連付けられている.著者らは,2 セットの遺伝子マーカーと 2 つの患者グループを用いて,NALP1 の変異体が自己免疫疾患に対する感受性に関連することを示している.

  • エンテロウイルス 71 型感染後の小児における神経発達と認知機能
    Neurodevelopment and Cognition in Children after Enterovirus 71 Infection

    エンテロウイルス 71 型は,アジアおよびその他の地域で手足口病や脳炎の原因としてよくみられる.感染後 2.9 年目に行った評価では,中枢神経合併症を伴うエンテロウイルス 71 型に感染した小児 142 例のうち,重度の中枢神経合併症と心肺不全をきたした患児では神経発達と認知機能の転帰が不良であった.中枢神経合併症のみを呈した大半の患児では,神経発達は正常であった.

  • レーザー治療を受けたポートワイン母斑の再濃色化
    Redarkening of Laser-Treated Port-Wine Stains

    パルスダイレーザー治療はポートワイン母斑に対して有効であるが,その効果は持続しない可能性がある.平均 5 回のレーザー治療を受けた患者に関する今回の追跡調査では,治療後 10 年でポートワイン母斑が再び濃くなることが示された.患者には,治療を開始する前に,母斑が再び濃くなる可能性があることを伝えるべきである.

CLINICAL PRACTICE

  • 間欠跛行
    Intermittent Claudication

    それまでは健康であった58 歳の郵便配達員が,歩行時の右ふくらはぎのけいれん痛を訴えている.不快感はこの 6 ヵ月間に次第に悪化し,仕事の遂行を妨げるようになった.現在では,休憩なしに半ブロック以上歩くことができない.男性の右大腿の脈拍は正常であるが,右膝窩動脈の脈拍は減弱しており,右足関節および右足の脈拍は触知できない.この患者をどのように評価し,治療すべきであろうか? 男性は血行再建術を受けるべきであろうか?

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 下肢に疼痛と腫脹を有する 27 歳の女性
    A 27-Year-Old Woman with Pain and Swelling of the Legs

    27 歳の女性の足に,突然疼痛が発生した.疼痛は右足よりも左足のほうが強く,下腿の浮腫と足首から指にかけての発疹を伴っていた.疼痛と知覚障害は持続し,悪化した.神経学的検査では,運動の強さ(motor strength)と反射は正常であったが,ピン刺激に対する足指の知覚は低下していた.診断検査が行われた.