The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み
  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

April 5, 2007
Vol. 356 No. 14

ORIGINAL ARTICLES

  • マンモグラフィ検診におけるコンピュータ支援検出
    Computer-Aided Detection in Screening Mammography

    コンピュータ支援検出は,米国食品医薬品局(FDA)に認可されて以来,多くの施設でマンモグラフィ検診に取り入れられるようになった.約 430,000 件のマンモグラムを対象としたこの観察研究で,著者らは,コンピュータ支援検出の使用によってマンモグラフィの精度が低下することと,米国の医療制度全体で使用した場合には,マンモグラフィにかかる年間費用が推定で 5 億 5,000 万ドル増加することを明らかにした.

  • 喘息と COPD におけるインバリアントナチュラルキラー T 細胞
    Invariant Natural Killer T Cells in Asthma and COPD

    気道炎症は,喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病態において確立された要素であるが,この炎症の性質は明らかにされていない.この研究では,喘息患者や COPD 患者の気道検体にインバリアントナチュラルキラー細胞が存在するかどうかを検討したところ,抗原提示分子 CD1d によって拘束されるこれらの免疫調節性 T リンパ球のうち,同定されたのはごくわずかであった.

  • タンザニアの HIV 陰性女性における総合ビタミン剤投与と周産期の転帰
    Multivitamin Supplementation and Perinatal Outcomes in HIV-Negative Women in Tanzania

    このタンザニアにおける大規模無作為化試験において,HIV 陰性の妊娠女性に栄養補助として総合ビタミン剤を連日投与したところ,低出生体重児(2,500 g 未満)ならびに在胎週数に比して小さい児の出生率は低下したが,未熟分娩または胎児死亡のリスクは有意には低減しなかった.総合ビタミン剤投与は有益である可能性があり,低費用でもあるため,発展途上国のすべての妊娠女性に対して考慮すべきである.

BRIEF REPORT

  • VANGL1 変異体と神経管欠損症との関連性
    Association between VANGL1 Variants and Neural-Tube Defects

    神経管欠損症は,発症頻度が高いにもかかわらず,その原因についてはほとんどわかっていない.この研究で,著者らは,神経管欠損症の患児 3 例(うち 2 例は家族性疾患)で確認された VANGL1 遺伝子が,この疾患に関連していることを指摘している.今回の知見は,この遺伝子および同じ経路に存在するほかの遺伝子についても,さらに研究する必要性があることを示している.

CLINICAL PRACTICE

  • 内科入院患者における血栓塞栓症の予防
    Prophylaxis for Thromboembolism in Hospitalized Medical Patients

    62 歳の男性が,発熱,咳,呼吸困難のため入院した.男性の筋力は低下し,脱水症状を呈し,膿性痰もみられた.体温は 39.2℃,呼吸数は 22 回,血圧は 128/69 mmHg であった.左下肺野全体にクラックルが聴取され,胸部 X 線検査では左肺下葉に異常陰影が認められ,肺炎の所見と一致するものであった.血栓予防を行うべきであろうか? もし行うべきであるとすれば,どのような方法で行えばよいだろうか?

CURRENT CONCEPTS

  • HIV 感染者のウイルス性肝炎
    Viral Hepatitis in HIV Infection

    HIV 感染者における慢性 HBV 感染または慢性 HCV 感染による肝疾患は,死亡の主要原因になりつつある.重感染者では,肝細胞癌のリスク,抗レトロウイルス薬による肝毒性のリスクが共に高くなる.この総説では,HIV 感染者における HCV,HBV 感染に対して,より新しい治療法を行うためのアプローチを示している.また,進行性肝疾患の合併症を予防するための最適な管理についても最新情報を提供する.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 診断を土台から築き上げる
    Building a Diagnosis from the Ground Up

    49 歳の男性が,1 週間にわたり恥骨上部の疼痛と発熱が続いたため,外来を受診した.診察では,体温は 38.1℃であったが,健康そうにみえた.