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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 2, 2007
Vol. 357 No. 5

ORIGINAL ARTICLE

  • 冠動脈疾患のゲノムワイド関連解析
    Genomewide Association Analysis of Coronary Artery Disease

    著者らは,ゲノムワイド関連解析の技術を用い,第 9 染色体上(9p21.3)に家族性の冠動脈疾患と強く関連する遺伝子座を発見した.関与する可能性のある遺伝子は明らかにされておらず,さらに研究を行う必要があるが,この種のゲノム解析は,冠動脈疾患やその他の慢性疾患の発症機序のより深い理解につながると考えられる.

  • プロゲステロンによる双胎妊娠の早期産の予防
    Progesterone for the Prevention of Preterm Delivery of Twins

    17α-カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン(17P)により,単胎妊娠において早期産の再発率が低下することが示されているが,双胎妊娠女性を対象とした今回の無作為化プラセボ対照試験では,17P 投与により 35 週未満での分娩または胎児死亡のリスクは低下しなかった.これらのデータは,双胎妊娠における早期産のリスクを低下させる目的で 17P を使用することを支持しない.

  • 子宮頸管長短縮が認められる妊娠女性におけるプロゲステロン投与と早期産
    Progesterone and Preterm Delivery among Women with a Short Cervix

    妊娠中期に子宮頸管長短縮が認められた無症状の女性では,自然早産のリスクが高い.この無作為化試験において,頸管長短縮(15 mm 以下)が認められ,プロゲステロンの腟内投与に割り付けられた女性では,プラセボ群の女性よりも妊娠 34 週未満の自然分娩率が有意に低かった.本誌今週号に掲載されている別の試験では,17α-カプロン酸ヒドロキシプロゲステロンを投与した双胎妊娠の女性で早期産のリスク低下は認められなかったが,その結果とは対照的に,この試験では,頸管長短縮が認められる女性に対するプロゲステロンの腟内投与が早期産のリスク低下に有効であることを示している.

  • アジアとアフリカにおけるリウマチ性心疾患の有病率
    Prevalence of Rheumatic Heart Disease in Asia and Africa

    小児におけるリウマチ性心疾患のスクリーニングが,カンボジアとモザンビークで実施された.両国とも心エコースクリーニングでは,臨床的スクリーニングよりもはるかに高い有病率が示された.この重篤な疾患はとくに発展途上国で流行しており,この結果は,その二次予防に関して公衆衛生学的に重要な意味をもっている.

DRUG THERAPY

  • 早期産の予防
    Prevention of Preterm Delivery

    早期産(妊娠 37 週未満)は母親や胎児の健康のために適応となる場合があるが,自然早産は,切迫早産や陣痛発来前の破水が自然に発生して生じる.この総説は,切迫早産や自然早産の予防と処置のための治療戦略に焦点を当てている.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 大きくなる問題
    A Growing Problem

    妊娠 21 週の 36 歳の妊婦が,乾性咳嗽が 4 週間続いたため来院した.熱,悪寒,呼吸困難,胸部痛,体重減少はないという.最近飼い始めたペットもなく,環境曝露や病人との接触もなかった.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 認知機能低下の経過を変える?
    Changing the Trajectory of Cognitive Decline?

    神経変性マウスにおいて,環境エンリッチメントまたはヒストン脱アセチル化酵素阻害薬の頭蓋内注射により,記憶機能の改善が得られた.