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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 20, 2008
Vol. 358 No. 12

ORIGINAL ARTICLE

  • メポリズマブによる好酸球増多症候群の治療
    Treatment of the Hypereosinophilic Syndrome with Mepolizumab

    好酸球増多症候群はまれな疾患であるが,治療がむずかしく,治療にはかなりの毒性作用を伴う.この proof-of-concept 試験では,好酸球増多症候群患者に対する抗インターロイキン-5 モノクローナル抗体メポリズマブによる治療により,臨床転帰と臨床検査所見が改善することが示されている.

  • 赤血球の保存期間と心臓手術後の合併症
    Duration of Red-Cell Storage and Complications after Cardiac Surgery

    保存赤血球では,構造および機能の変化が経時的に進行する.単一施設において心臓手術を施行予定の 6,002 例の患者を対象に行われた研究において,保存期間が 14 日以下の血液を輸血された患者は,保存期間が 14 日を超える血液を輸血された患者よりも,合併症発生率および死亡率が低かった.

  • コレステロールに関連する多型と心血管イベントのリスク
    Polymorphisms Associated with Cholesterol and Risk of Cardiovascular Events

    脂質濃度に関連するいくつかの一塩基多型(SNP)がこれまでに同定されている.5,414 例から成るコホートで,そのような 11 の SNP の検査を行い,脂質濃度との関連が確認された.これらの SNP のうち 9 つから成る遺伝子型スコアは,ベースラインの脂質濃度で補正したあとも,心血管疾患の発症に独立に関連していた.

  • 前立腺癌生存者の QOL と転帰に対する満足度
    Quality of Life and Satisfaction with Outcome among Prostate-Cancer Survivors

    前立腺癌男性とその配偶者やパートナーにおいて,前立腺全摘除術,小線源療法,外照射療法(術後補助ホルモン治療併用または非併用)の施行後に,QOL と治療転帰に対する満足度を質問票によって確認した.各治療は,QOL に対して独自の影響パターンをもち,それぞれの場合で,治療の残存影響は患者のパートナーにおいて悩みの原因となった.

CLINICAL PRACTICE

  • 晩期妊娠可能年齢の女性に対するホルモン避妊法
    Hormonal Contraception in Women of Older Reproductive Age

    喫煙をしない痩せ型の 46 歳の健常女性が,避妊に関する助言を求めている.女性は,月経周期が以前より不規則であるといい,また間欠的に生じる不快なほてりを訴えている.女性は離婚後新たにパートナーを得ており,性的に活発である.経口避妊薬の使用を開始できるかどうか尋ねている.どのような助言をすればよいだろうか?

CURRENT CONCEPTS

  • アシネトバクター感染
    Acinetobacter Infection

    グラム陰性球桿菌であるアシネトバクター属は,かつては高温多湿気候でしかみられない病原体であったが,温帯気候においても,院内で問題となる頻度が増加してきている.多剤耐性菌によって引き起こされる感染症に対する抗菌薬の選択肢は,かなり限られている.この総説では,アシネトバクター感染の治療に対するアプローチと,多様な耐性機序を獲得し,市販の抗菌薬すべてに耐性を有する菌株を出現させたアシネトバクター属の能力について,最新の理解を簡潔に述べる.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 顎に難治性潰瘍を有する女性
    A Woman with a Nonhealing Ulcer of the Jaw

    65 歳の女性が,3 年前に抜歯した部位にできた下顎の難治性潰瘍のため,口腔外科クリニックを受診した.女性は多発性骨髄腫に罹患しており,ビスホスホネート製剤の静脈内投与による治療を 6 年間受けている.診察により,右下顎の軟部組織が赤く盛り上がり,粘膜潰瘍が形成され骨が露出していることが明らかになった.診断手技が行われた.