The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み
  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

June 26, 2008
Vol. 358 No. 26

ORIGINAL ARTICLES

  • 人工股関節全置換術後のリバロキサバン投与
    Rivaroxaban after Total Hip Arthroplasty

    経口直接作用型第 Xa 因子阻害薬であるリバロキサバンは,エノキサパリンに比べて人工股関節置換術後の静脈血栓塞栓症の予防効果が高く,重大な出血の有意な増加はみられなかった.

  • 人工膝関節全置換術後のリバロキサバン投与
    Rivaroxaban after Total Knee Arthroplasty

    この臨床試験では,人工膝関節全置換術後の血栓予防薬としてリバロキサバンとエノキサパリンを比較した.リバロキサバンは,静脈血栓症の予防においてエノキサパリンよりも優れており,両剤の安全性プロファイルは同等であった.

  • アンジオテンシン II 阻害とマルファン症候群における大動脈起始部拡張
    Angiotensin II Blockade and Aortic-Root Dilation in Marfan's Syndrome

    マウスを用いた研究により,マルファン症候群にみられる大動脈起始部拡張はトランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)による過剰なシグナル伝達が原因であり,アンジオテンシン II 受容体拮抗薬(ARB)などの TGF-β阻害薬による緩和が可能であることが示唆された.この研究では,ARB 療法を開始し,12 ヵ月以上経過観察を行ったマルファン症候群患児 18 例のデータを再検討した.大動脈起始部径の増大は,ARB 療法の開始後有意に遅延した.

SPECIAL ARTICLE

  • 多遺伝子,リスク予測,および乳癌
    Polygenes, Risk Prediction, and Breast Cancer

    この論文では,乳癌と強い統計学的関連を示す 6 つの一塩基多型を明らかにしたゲノムワイド関連研究に重点をおき,乳癌の遺伝的感受性について再検討している.これらの対立遺伝子は,個別では相対リスクが低いが,組み合わせた場合には,集団を対象とした乳癌スクリーニングに役立つ可能性がある.

CLINICAL PRACTICE

  • 急性結石胆嚢炎
    Acute Calculous Cholecystitis

    42 歳の女性が,15 時間前に発症した右上腹部の重度の疼痛のため受診した.以前からその部位にときおり疼痛があり,痛みは最長で 2 時間持続したという.女性は今回の発作で 1 度嘔吐している.体温は 38.5℃,心拍数は 95 回/分である.この女性の症状をどのように評価し,治療すべきであろうか?

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 胃バイパス術後に腹痛と脱力を呈した女性
    A Woman with Abdominal Pain and Weakness after Gastric Bypass Surgery

    57 歳の女性が,胃バイパス術の 1 ヵ月後に生じた腹痛と脱力のため入院した.術後の 1 ヵ月間に頻脈,徐脈,下痢,暗色尿,腹痛といったエピソードが発現し,尿培養は細菌陽性であった.入院後,四肢の脱力としびれが発現し,弛緩性四肢不全麻痺に進行した.診断のための検査が実施された.

SOUNDING BOARD

  • 固形臓器移植とドナーの危険因子
    Solid-Organ Transplantation and Donor Risk Factors

    臓器移植を受ける可能性のある患者に対して,移植に伴う一般的なリスクと,特定の臓器に関連する特有のリスクを知らせることについては議論がある.この論文の著者らは,ドナーの行動リスクを考慮すべきか,考慮する場合はどのようにすればよいか,またそれが治療選択と転帰にどのように影響するかについて論じている.

VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE

  • 大腿静脈カテーテルの挿入
    Placement of a Femoral Venous Catheter

    大腿静脈カテーテルの挿入

    末梢静脈からの循環系へのアクセスが困難で,ほかに中心静脈カテーテルを挿入する部位がない場合,大腿静脈カテーテルが必要となる場合がある.このビデオでは大腿静脈カテーテルの挿入を実演し,適応症と合併症の可能性について説明している.