The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み
  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

September 25, 2008
Vol. 359 No. 13

ORIGINAL ARTICLE

  • 急性期脳梗塞発症から 3~4.5 時間の時点におけるアルテプラーゼを用いた血栓溶解療法
    Thrombolysis with Alteplase 3 to 4.5 Hours after Acute Ischemic Stroke

    急性期脳梗塞に対するアルテプラーゼを用いた静脈内血栓溶解療法では,発症から 3 時間以内にアルテプラーゼを投与した場合,その転帰は改善する.発症から 3~4.5 時間のあいだに受診した患者を対象としたこの無作為化試験では,アルテプラーゼ投与患者のほうが,プラセボ投与患者よりも臨床転帰がやや優れていた(転帰良好な患者の割合 52% 対 45%).

  • 急性心筋梗塞に対する薬剤溶出性ステントとベアメタルステントの比較
    Drug-Eluting or Bare-Metal Stents for Acute Myocardial Infarction

    マサチューセッツ州で急性心筋梗塞に対し冠動脈ステント留置術を受けた患者を対象とした分析において,傾向マッチングを行ったコホートで薬剤溶出性ステント留置を受けた患者と,ベアメタルステント留置を受けた患者を比較した.2 年の時点における死亡率と標的血管に対する血行再建術再施行率は,薬剤溶出性ステント群のほうが有意に低かった.再梗塞率は,薬剤溶出性ステントによる治療を受けた非 ST 上昇型心筋梗塞患者で低下した.

  • 大動脈弁狭窄症に対するシンバスタチン+エゼチミブによる積極的脂質低下療法
    Intensive Lipid Lowering with Simvastatin and Ezetimibe in Aortic Stenosis

    この無作為化プラセボ対照試験では,シンバスタチンとエゼチミブの併用により,低比重リポ蛋白コレステロールは大幅に低下したが,大動脈弁狭窄症の進行に対しては効果がみられなかった.シンバスタチン+エゼチミブ群では冠動脈バイパス術の必要性は低下したが,予想外にも,実薬治療は癌の発生率の上昇にも関連していた.

SPECIAL ARTICLE

  • エゼチミブに関する 3 件の試験に基づく癌のデータの分析
    Analyses of Cancer Data from Three Ezetimibe Trials

    大動脈弁狭窄症患者におけるエゼチミブとシンバスタチンの併用に関する SEAS 試験において,実薬治療と癌の発生率の上昇が関連していることが示唆された.エゼチミブとシンバスタチンに関する現在進行中の別の 2 件の試験についての今回の分析では,癌の発生率が上昇するという示唆については支持されないが,癌による死亡率が上昇することが示されている.

MOLECULAR ORIGINS OF CANCER

  • 肺癌
    Lung Cancer

    「癌の分子的起源」のシリーズでは,前回に引き続き,肺癌の分子的・遺伝的メカニズムに関する総説を掲載する.著者らは肺癌に対する遺伝的感受性と,癌の進展に重要な役割を果たす 4 つの遺伝子,EGFRKRASPI3K-Akt-mTOR 複合遺伝子,TITF1 について検討している.また,遺伝子プロファイリングと蛋白質プロファイリングについて,これらの方法の臨床的有用性を強調しながら論じている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 乳房の腫瘤と脊椎の孤立性病変を有する女性
    A Woman with a Mass in the Breast and a Solitary Lesion in the Spine

    47 歳の閉経前女性が乳癌の治療のため当院に来院した.左乳房に直径 5 cm の腫瘤があり,針生検によって悪性度が 3 段階中 2 で,ホルモン受容体陽性かつ HER2/neu 陰性の浸潤性乳管癌であることが示された.病期の評価から,T6 の椎体に無症候性の孤立性病変があることが明らかとなった.管理の決定がなされた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 筋ジストロフィーに対する細胞療法
    Cell Therapies for Muscular Dystrophy

    デュシェンヌ型筋ジストロフィーのモデルマウスでは,特定のタイプの外套細胞をジストロフィー組織に移植することが可能であり,筋肉収縮の強さとその持続時間を改善することができる.