The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み
  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 17, 2009
Vol. 361 No. 25

ORIGINAL ARTICLE

  • 2009 インフルエンザ A(H1N1)一価ワクチンに対する反応
    Response to a Monovalent 2009 H1N1 Vaccine

    パンデミック 2009 インフルエンザ A(H1N1)感染を予防するワクチンが早急に必要とされている.この報告によれば,ワクチン 15 μg の 1 回目の接種後 21 日目までに,成人患者の 95%で有意な免疫応答(赤血球凝集抑制抗体価 1:40 以上)が認められた.

  • 年齢層別に検討した新規 2009 インフルエンザ A(H1N1)ワクチン
    A Novel 2009 H1N1 Vaccine in Various Age Groups

    中国で 2,200 例を対象に実施されたこの試験では,2009 H1N1 ウイルスの不活化ワクチンの接種を行った.12~60 歳の被験者では 1 回の接種で標準的な防御免疫応答が誘導されたのに対し,若年層(3~11 歳)では 2 回の接種を必要とした.

  • MF59 アジュバント添加 2009 インフルエンザ A(H1N1)一価ワクチンの臨床試験
    Trial of 2009 H1N1 Monovalent MF59-Adjuvanted Vaccine

    MF59 アジュバント添加 2009 インフルエンザ A(H1N1)一価ワクチンに関するこの報告では,アジュバントの添加・非添加を問わず接種を 1 回または 2 回行った結果,ほとんどの被験者で 2~3 週間以内に有意な免疫応答が誘導された.MF59 アジュバント添加ワクチンを接種した被験者では,より高い抗体価が認められた.

  • 鉄欠乏を伴う心不全患者に対するカルボキシマルトース鉄
    Ferric Carboxymaltose in Patients with Heart Failure and Iron Deficiency

    鉄欠乏を伴う心不全患者に対して鉄静注療法を行った結果,心機能と QOL が改善した.この有益性は,貧血の有無にかかわらず同等に認められた.鉄欠乏を伴う心不全患者の治療において,鉄療法は有用である可能性がある.

MOLECULAR ORIGINS OF CANCER

  • 大腸癌の分子的基盤
    Molecular Basis of Colorectal Cancer

    この総説では,大腸癌の分子メカニズムの解明における最近の進歩を説明している.大腸癌の家族性症候群では,生殖細胞系遺伝子の変化が体細胞変異とともに生じるが,体細胞変異は散発性大腸癌の明らかな特徴でもある.遺伝子変化は,腺腫の癌化をもたらし,おそらく治療に対する個々の患者の感受性と反応に影響を与えるものと考えられる.

INTERACTIVE MEDICAL CASE

  • 疼痛を伴う紫色の足趾
    Painful Purple Toes

    この双方向型の特集記事では,3 本の左足趾が紫色に変色し痛みを伴い,間欠的な霧視,間欠性の胸痛,疲労,食欲不振,大量の寝汗,体重減少のみられる 57 歳の男性の症例を紹介している.NEJM.org で,この症例の検査を指示してご自身の診断・治療技術を確認し,ほかの方と比較してください.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 急性心不全をきたした妊娠女性
    A Pregnant Woman with Acute Cardiac Failure

    28 歳の女性が,分娩の 2 日後に心不全を起こし入院した.4 週間前の妊娠約 29 週目に胸骨後部に不快感が発現し,その後息切れ,筋肉痛,疲労が生じた.心エコー検査で,タンポナーデと両心室の運動低下を伴う心膜液貯留が認められた.妊娠 32 週で心膜穿刺と帝王切開が行われたが,症状は悪化した.当院で撮影した X 線写真では縦隔拡大がみられ,心エコー検査では心膜の肥厚と,大血管を取り巻く異常な物質が認められた.診断手技が行われた.

SOUNDING BOARD

  • 医学生涯教育への産業界の影響を制限する
    Limiting Industry's Influence on CME

    製薬・医療機器製造会社は,医学生涯教育(CME)にかかる費用を半分以上助成しており,その内容に間接的に影響を及ぼしている.著者らは,CME をバイアスから守り,医師にとっての価値を高めるための,可能性のある戦略について述べている.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 色覚の研究
    A Study in Color

    オプシンが 1 つ欠失している 2 匹の色覚異常のサルに対し,網膜下にそのオプシンをコードする遺伝子を導入した結果,サルは三色視を穫得した.