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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 24, 2009
Vol. 361 No. 26

ORIGINAL ARTICLE

  • 中国における 2009 H1N1 ウイルス初期感染例の臨床像
    Clinical Features of the Initial Cases of 2009 H1N1 Virus Infection in China

    中国で 2009 パンデミックインフルエンザ A(H1N1)ウイルスの最初の感染例が確認されたのは,2009 年 5 月 10 日であった.初期対策として隔離が実施され,初期症例が系統的に観察された.初期症例 426 例において,潜伏期間(2 日),疾患スペクトル(67.4%が発熱を伴う),PCR に基づくウイルス排出期間(6 日)が明らかにされた.

  • Lp(a)リポ蛋白濃度と冠動脈疾患に関連する遺伝子変異
    Genetic Variants Associated with Lp(a)Lipoprotein Level and Coronary Disease

    新規の遺伝子チップにより,LPA 遺伝子座を含む染色体の 3 領域で,冠動脈疾患リスクと関連する一塩基多型(SNP)が同定された.LPA 遺伝子の 2 個の SNP は,Lp(a)リポ蛋白濃度と冠動脈疾患リスクの双方に強く関連していた.Lp(a)リポ蛋白濃度で補正すると,遺伝子型スコアと冠動脈疾患リスクの関連は消失した.これらの結果は,冠動脈疾患リスクに,Lp(a)リポ蛋白濃度の上昇が寄与していることを裏付けるものである.

  • 心電図上の早期再分極に関連した長期転帰
    Long-Term Outcome Associated with Early Repolarization

    心電図上の早期再分極パターンは,一般に良性と考えられている.しかし,フィンランドの住民を 30 年間追跡したこの研究では,下壁誘導と側壁誘導における早期再分極パターンが,心臓を原因とする死亡および不整脈による死亡のリスク上昇に関連していることが示された.

  • 安定冠動脈疾患における高感度トロポニン T アッセイ
    A Sensitive Troponin T Assay in Stable Coronary Artery Disease

    無作為化試験の後ろ向き解析において,安定冠動脈疾患患者の保存血清中の心筋トロポニン T 値を新しい高感度アッセイを用いて測定した.トロポニン T 値は,従来の検査法での検出限界よりはるかに低くても,その後の心血管系の原因による死亡および心不全のリスクと有意に関連したが,心筋梗塞のリスクとは関連しなかった.

CLINICAL PRACTICE

  • バレット食道
    Barrett's Esophagus

    長期にわたる胃食道逆流症を有し,バレット食道と最近診断された 56 歳の肥満男性が,経過観察のため受診した.オメプラゾール 20 mg を 1 日 2 回服用しており,現在逆流症状はない.嚥下障害も体重減少もみられない.内視鏡検査と組織病理学的検査で,異形成を伴わない 4 cm のバレット食道が認められた.バレット食道はどのように管理すべきであろうか?

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 発熱と呼吸不全を呈する男性
    A Man with Fever and Respiratory Failure

    29 歳の男性が,発熱と呼吸困難のため当院に移送されてきた.9 日前に,発熱,乾性咳嗽,筋肉痛が発現した.入院時には低酸素血症を呈していた.胸部 CT でびまん性浸潤が認められた.呼吸不全,腎不全,低血圧が発現した.入院 6 日目に,診断検査の結果が知らされた.

VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE

  • 子宮内膜生検
    Endometrial Biopsy

    子宮内膜生検

    子宮内膜生検は,外来で行う子宮内膜組織の評価法である.子宮内膜生検の適応は多く,異常出血,閉経後出血,1 年以上の無月経,不妊の評価,ホルモン療法に対する子宮反応の評価,異型腺細胞を認めたパパニコロー検査の追跡などがある.このビデオでは,子宮内膜生検の手技を実演する.