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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 20, 2009
Vol. 361 No. 8

ORIGINAL ARTICLE

  • アンドロゲン抑制療法を受けている前立腺癌男性に対するデノスマブ投与
    Denosumab for Prevention of Fractures in Postmenopausal Women with Osteoporosis

    アンドロゲン抑制療法を受けている非転移性前立腺癌男性では,骨量減少がみられ骨折リスクが高い.このプラセボ対照試験では,このような男性を対象に,破骨細胞分化因子(RANKL)に対する完全ヒトモノクローナル抗体であるデノスマブの骨密度と骨折への効果を検討している.デノスマブの投与は,測定したすべての部位の骨密度の増加と,新規椎体骨折の発生率の低下に関連していた.

  • 骨粗鬆症の閉経後女性における骨折予防のためのデノスマブ
    Denosumab for Prevention of Fractures in Postmenopausal Women with Osteoporosis

    この試験では,骨密度の低い 60~90 歳の女性を対象に,破骨細胞分化因子(RANKL)に対する完全ヒトモノクローナル抗体で,破骨細胞の発生と活性化を阻害するデノスマブの年 2 回の皮下注射の効果を,プラセボと比較した.デノスマブにより,椎体骨折,椎体以外の骨折,大腿骨頸部骨折のリスクが減少した.

  • 乳癌女性に対するレトロゾール単剤投与とタモキシフェン・レトロゾール逐次投与の比較
    Letrozole Therapy Alone or in Sequence with Tamoxifen in Women with Breast Cancer

    ホルモン受容体陽性早期乳癌の閉経後女性を対象とした術後ホルモン療法に関するこの試験では,5 年間レトロゾールを投与した群,2 年間レトロゾールを投与後 3 年間タモキシフェンを投与した群,2 年間タモキシフェンを投与後 3 年間レトロゾールを投与した群において,無病生存期間は同等であることが示された.5 年間のレトロゾール単剤投与は,5 年間のタモキシフェン単剤投与より優れている可能性がある.

  • オピオイド依存症の治療におけるジアセチルモルヒネとメタドンの比較
    Diacetylmorphine versus Methadone for the Treatment of Opioid Addiction

    ヘロインの長期使用者 251 例を対象としたこの 12 ヵ月間の無作為化試験では,依存症治療の継続と,違法薬物の使用とその他違法行為の減少に関して,ジアセチルモルヒネ(ヘロインの有効成分)の注射投与のほうがメタドンの経口投与に比べ有効であった.ジアセチルモルヒネ注射投与群では,痙攣や薬物の過量投与などをはじめとする重篤な有害事象がより多くみられた.

CLINICAL PRACTICE

  • 人工関節感染症
    Infection Associated with Prosthetic Joints

    変形性関節症の 62 歳の女性が,鼠径部に放散する左股関節痛がこの 7 ヵ月間で徐々に悪化したため,左人工股関節全置換術後 8 ヵ月目に受診した.身体診察では,左の股関節部を覆う洞管が認められた.X 線所見では,骨ミセメント界面で人工関節の弛みがみられた.この女性をどのように管理すべきであろうか?

MEDICAL PROGRESS

  • 乳幼児突然死症候群
    The Sudden Infant Death Syndrome

    乳幼児突然死症候群(SIDS)の解明は,近年大きく進んだ.その中には,うつ伏せ寝により SIDS のリスクが 3 倍になるという発見などがある.この発見をもとに,乳児の仰向け寝を支持する世界的な運動が起こった.仰向け寝は,SIDS 発生率の 50~90%低下に関連している.この総説は,SIDS に関する人口統計学的因子と病態生理学的因子,最近の概念について考察している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 腹痛と腹部膨満を呈する嚢胞線維症の男性
    A Man with Cystic Fibrosis with Abdominal Pain and Distention

    嚢胞線維症の 34 歳の男性が,咳嗽,呼吸困難の増悪,喀痰のため入院した.広域スペクトル抗菌薬による治療が開始された.入院 5 日目に発熱がみられ,8 日目に悪心,嘔吐,白血球増加,アシドーシスが発現した.その翌日,診断手技が行われた.