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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

May 2, 2019
Vol. 380 No. 18

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 低リスク患者におけるバルーン拡張型弁を用いる経カテーテル大動脈弁置換術
    TAVR with a Balloon-Expandable Valve in Low-Risk Patients

    無作為化試験で,手術による死亡リスクが低い重症大動脈弁狭窄症患者 1,000 例を,バルーン拡張型弁を用いる経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)を施行する群と,外科的大動脈弁置換術を施行する群に割り付けた.1 年の時点で,死亡,脳卒中,再入院の発生率は,TAVR 群のほうが有意に低かった.

  • 低リスク患者における経カテーテル大動脈弁置換術
    TAVR in Low-Risk Patients

    無作為化試験で,手術による死亡リスクが低い重症大動脈弁狭窄症患者 1,468 例を,自己拡張型弁を用いる経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)を施行する群と,外科的大動脈弁置換術を施行する群に割り付けた.2 年の時点で,TAVR は,死亡,障害の残る脳卒中に関して,手術に対し非劣性を示した.

  • 生存している全米プロフットボールリーグ選手における脳内タウ蓄積
    Brain Deposition of Tau in Living NFL Players

    認知症状・行動症状を有する元全米プロフットボールリーグ(NFL)選手 26 人にタウ PET を行い,対照と比較した.患者の側頭葉,上前頭葉,左頭頂葉の領域にタウ蓄積が認められ,慢性外傷性脳症の神経病理学的所見と同様の所見であった.

  • 骨髄腫に対する B 細胞成熟抗原を標的とする CAR-T 細胞
    BCMA-Directed CAR T Cells in Myeloma

    再発・難治性骨髄腫患者 33 例に B 細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)自家 T 細胞の輸注を行ったところ,1 回のみで 85%で反応が誘導された.サイトカイン放出症候群の頻度と重症度は他の CAR-T 細胞でみられるよりも低かった.

CORRESPONDENCE

  • 経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)後 10 年での再 TAVR
    Repeat TAVR 10 Years after TAVR

    症候性大動脈弁狭窄症の 68 歳の女性.陶器様大動脈(porcelain aorta:大動脈の全周性石灰化)のため手術の候補とならず,2008 年に経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)を受けた.10 年後,症状が再発し,重度の人工弁狭窄と診断された.患者は再度 TAVR を受け,手技は成功した.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 先端巨大症に伴う脳回転状皮膚
    Cutis Verticis Gyrata Associated with Acromegaly

    先端巨大症に伴う脳回転状皮膚

    37 歳の男性が,多汗,頭痛,頭部のしわが増えていると訴えて受診した.MRI にて下垂体腺腫を認め,先端巨大症の診断がなされた.

REVIEW ARTICLE

  • 幹細胞研究と臨床応用
    Stem-Cell Research and Clinical Application

    幹細胞研究と臨床応用

    幹細胞は,期待,誇大宣伝,多くの研究の的になっている.しかし,幹細胞とは具体的に何であり,その用途は何であるのか? この総説では,種々の幹細胞,その応用,臨床に大きな影響を及ぼすまでの道のりにおける障壁を説明する.イラスト付きの用語解説,著者の 1 人のインタビュー音声が付属する.

CLINICAL PRACTICE AUDIO

  • 副甲状腺機能低下症
    Hypoparathyroidism

    副甲状腺機能低下症

    副甲状腺機能低下症の治療は,低カルシウム血症の症状を抑制しながら,血中カルシウムを基準値下限近くに維持することを目標としている.治療は通常,経口でのカルシウム製剤と活性型ビタミン D 製剤の投与が行われるが,副甲状腺ホルモン製剤の皮下注が行われる場合もある.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 反復
    Repetition

    反復

    60 歳の男性が,増悪する労作時呼吸困難と湿性咳嗽で救急部を受診した.動画では,患者が青い液体を飲む嚥下内視鏡検査の,喉頭蓋蠕動がほとんどみられない誤嚥,弱い咳,誤嚥物の喀出不良をご覧いただけます.

NEJM QUICK TAKE

  • 多発性骨髄腫を治療する
    Treating Multiple Myeloma

    多発性骨髄腫を治療する

    多発性骨髄腫治療の進展によって生存期間が延長しているが,患者のほぼ全例が最終的に再発する.新規治療として出現した CAR-T 細胞療法により,一部の造血器腫瘍で長期の疾患コントロールが得られる可能性がある.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 国民皆保険に近づく
    Getting to Universal Coverage

    Matthew Fiedler が,米国で,保険未加入のままでいる住民に対する補償を拡大するための政策について論じている.