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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

June 6, 2019
Vol. 380 No. 23

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 季節性マラリアの化学予防のためのアジスロマイシン
    Azithromycin for Seasonal Malaria Chemoprevention

    無作為化プラセボ対照試験で,ブルキナファソとマリの小児のマラリア予防に用いる補助薬としてアジスロマイシンを評価した.生存にもマラリア予防にも,アジスロマイシンに伴う利益は認められなかった.

  • ニジェールの小児死亡を予防するためのアジスロマイシン
    Azithromycin to Prevent Childhood Mortality in Niger

    MORDOR I 試験でアジスロマイシンの単回投与を年 2 回 2 年間受けたニジェールのコミュニティでは,死亡率はプラセボ投与を受けたコミュニティよりも低かった.その非盲検延長試験である MORDOR II 試験では,死亡への効果は 3 年目も持続し,MORDOR I 試験でプラセボを投与され,MORDOR II 試験ではじめてアジスロマイシンを投与されたコミュニティでも効果がみられた.

  • 2 型糖尿病患者における強化血糖コントロールの追跡調査
    Follow-up of Intensive Glucose Control in Type 2 Diabetes

    心血管疾患リスクの高い 2 型糖尿病の退役軍人を対象とした追跡研究で,5.6 年間の強化血糖降下療法後に遺産効果(legacy effect)は認められなかった.13.6 年間に主要心血管イベントのリスクは低下せず,15 年間に死亡に関する利益や QOL の改善は認められなかった.

  • 慢性リンパ性白血病に対するベネトクラクスとオビヌツズマブ
    Venetoclax and Obinutuzumab in CLL

    比較的高齢で,内科疾患を有する未治療慢性リンパ性白血病(CLL)患者の治療において,BCL2 阻害薬であるベネトクラクスとオビヌツズマブの併用は,クロラムブシルとオビヌツズマブの併用よりも有効であった.2 年の時点での無増悪生存率はベネトクラクス 88%,クロラムブシル 64%であった.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 不穏な低下
    A Disturbing Decline

    全身性エリテマトーデスの既往がある 29 歳の女性が,数日間続く,最初は悪心・嘔吐を伴っていた下痢を訴えて受診した.発熱,悪寒,広範な筋肉痛,倦怠感も訴えている.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 骨芽細胞と脂肪細胞の運命を切り替える
    Toggling between the Fates of Osteoblast and Adipocyte

    異所性石灰化により,心臓弁,血管,骨格筋などの軟組織の石灰化が起こる.最近の研究で,この過程に感受性を示す組織について,遺伝的に説明されている.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 播種性コクシジオイデス症
    Disseminated Coccidioidomycosis

    播種性コクシジオイデス症

    HIV に感染している 34 歳の男性が,頭痛,発熱,意識障害,大きな舌病変を訴えて受診した.生検で真菌が同定され,播種性コクシジオイデス症の診断がなされた.

FRONTIERS IN MEDICINE

  • 癌幹細胞
    Cancer Stem Cells

    癌幹細胞

    癌は,複製および自己再生が可能な組織に生じる.正常な組織と同様に癌は,正常な幹細胞と類似しているが,その微小環境(ニッチ)中の停止シグナルへの反応がより不良とみられる癌幹細胞により,自己を活性化させ,増殖し,転移することができる.癌幹細胞を標的とする治療法は,癌治療の次代の手段となる可能性がある.この総説には,イラスト付きの用語解説と著者へのインタビュー音声が付属する.

NEJM QUICK TAKE

  • 強化血糖コントロールと心血管転帰
    Intensive Glucose Control and Cardiovascular Outcomes

    強化血糖コントロールと心血管転帰

    糖尿病患者では,血糖コントロールを改善することで心血管転帰が改善することが複数の試験で示唆されているが,そのような患者を長期追跡し,心血管イベントの減少,死亡率の低下,あるいは QOL の改善が示されるかどうかは明らかにされていない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 麻疹の再流行とたたかう
    Battling a Measles Resurgence

    麻疹の再流行とたたかう

    Anthony Fauci が,米国および世界で麻疹症例が増加している問題について論じている.