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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

May 13, 2021
Vol. 384 No. 19

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 反復性急性中耳炎に対する鼓膜換気チューブ留置術
    Tympanostomy Tubes for Recurrent Acute Otitis Media

    この試験では,急性中耳炎の複数のエピソード歴がある生後 6~35 ヵ月の小児が,鼓膜換気チューブ留置術群または薬物療法群に無作為に割り付けられた.2 年間における急性中耳炎エピソードの発生率は,鼓膜換気チューブ留置術群のほうが薬物療法群より大幅に低いことはなかった.

  • 重症・コントロール不良喘息に対するテゼペルマブ
    Tezepelumab in Severe, Uncontrolled Asthma

    胸腺間質性リンパ球新生因子は,喘息の発症機序に関わる上皮細胞由来サイトカインである.テゼペルマブはこの因子を遮断するヒトモノクローナル抗体である.この無作為化プラセボ対照臨床試験では,テゼペルマブが投与されたコントロール不良の重症喘息患者で,喘息増悪の年間発生率に低下がみられた.

  • 有毛細胞白血病に対する BRAF 阻害薬とリツキシマブの併用
    BRAF Inhibition plus Rituximab in Hairy-Cell Leukemia

    めずらしい低悪性度 B 細胞腫瘍である有毛細胞白血病は BRAF 変異の活性化により引き起こされることが多い.BRAF 阻害薬は奏効をもたらすが,治療を中止すると再発することが多い.ベムラフェニブにリツキシマブ(抗 CD20 抗体)を追加すると,再発または治療抵抗性の患者 30 例中 26 例で完全奏効が得られ,78%は 3 年の時点で増悪がみられなかった.

  • アデノウイルスベースの Covid-19 ワクチン
    Adenovirus-Based Covid-19 Vaccine

    アデノウイルスを用いたワクチン(Ad26.COV2.S)の第 1・2a 相試験で,参加者が 2 つの年齢群に分けられ,低用量ワクチン,高用量ワクチン,プラセボのいずれかの投与を 1 回または 2 回受けた.ワクチンによって参加者の大部分で注射部位の局所反応が生じ,ワクチンを接種したすべての群で高力価の中和抗体が誘導された.さらに T 細胞応答が認められた.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 発熱と汎血球減少を呈する女性
    A Woman with Fever and Pancytopenia

    64 歳の女性が発熱と汎血球減少で入院した.女性は多発性硬化症であり,7 ヵ月前から悪心と疲労が続いていた.CT で脾腫を認め,FDG-PET では,脾臓と軸骨格・付属肢骨格全体の骨髄に集積を認めた.診断のための検査を行い,結果を受け取った.

MEDICINE AND SOCIETY

  • 不公平性を分解する
    Deconstructing Inequities

    人種差別を,米国の公衆衛生上の危機として取り組むにあたっての重要な一歩は,われわれ自身が共同で責任を負うのに必要な進歩を,正確に測定することである.「公衆衛生上の批判的人種理論の実践(PHCRP)」は,健康の公平性に関する無数の課題を分析するための指針となる.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 甲状腺中毒性周期性四肢麻痺
    Thyrotoxic Periodic Paralysis

    甲状腺中毒性周期性四肢麻痺

    25 歳の男性が突然四肢麻痺をきたして救急受診した.臨床検査では,カリウム値が 1.6 mmol/L であった.甲状腺中毒性周期性四肢麻痺と診断され,カリウムとリン酸の投与が開始された.カリウム値によって異なる上肢・下肢の動きを動画で紹介する.

REVIEW ARTICLE VIDEO

  • フェイスマスク換気を行うための改良両手法
    Modified, Two-Handed Technique for Performing Face-Mask Ventilation

    フェイスマスク換気を行うための改良両手法

    フェイスマスク換気は通常,意識のない患者の気道管理の第一歩である.手の位置を変更したフェイスマスク換気を動画で紹介する.

NEJM QUICK TAKE

  • 急性中耳炎を治療する
    Treating Acute Otitis Media

    急性中耳炎を治療する

    データが利用可能な最新年である 2006 年には,米国の小児 667,000 人(主に 3 歳未満)が反復性中耳炎に対する鼓膜換気チューブ留置術を受けた.先行試験は,すべて肺炎球菌結合型ワクチンの導入以前に行われたものであるが,サンプルサイズが小さい,診断が不確実,追跡期間が短い,脱落者多数という限界があった.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • ハームリダクションを採り入れる
    Embracing Harm Reduction

    ハームリダクションを採り入れる

    Kimberly Sue が,物質使用に対するハームリダクションアプローチをめぐる連邦政府の健康政策について論じている.