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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

July 1, 2021
Vol. 385 No. 1

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 小児多臓器炎症症候群の治療
    Treatment of MIS-C

    観察コホート研究で,小児多臓器炎症症候群(MIS-C)に対する免疫調節療法として,免疫グロブリン静注療法(IVIG),IVIG+グルココルチコイド,グルココルチコイド単独が比較検討された.3 つの治療法のいずれかの優越性を示すエビデンスは見出されなかったが,データが増えるにつれ有意差が生じる可能性もある.

  • 小児多臓器炎症症候群 ― 初回治療と転帰
    MIS-C ― Initial Therapy and Outcomes

    小児多臓器炎症症候群(MIS-C)を呈し,2020 年 3 月 15 日~10 月 31 日の期間に入院した 21 歳未満の入院患者のサーベイランスデータの解析で,免疫グロブリン静注療法(IVIG)+グルココルチコイドによる初回治療は,IVIG 単独による初回治療と比較して心血管機能障害のリスクが低いことと,補助療法が行われる割合が低いことと関連していた.

  • セリアック病に対するトランスグルタミナーゼ 2 阻害薬
    Transglutaminase 2 Inhibitor for Celiac Disease

    第 2 相概念実証(proof-of-concept)試験で,グルテンフリー食でコントロールされたセリアック病患者を,ZED1227(選択的トランスグルタミナーゼ 2 阻害薬)の 3 用量群とプラセボ群のいずれかに割り付けた.患者は 1 日 3 g のグルテンチャレンジを 6 週間受けた.ベースライン時と 6 週の時点の十二指腸生検検体の比較により,ZED1227 はグルテンが引き起こす粘膜傷害を低減させたことが示された.

  • 軽鎖アミロイドーシスに対するダラツムマブ
    Daratumumab in Light-Chain Amyloidosis

    ボルテゾミブ,シクロホスファミド,デキサメタゾンによる治療と,この治療とダラツムマブの併用とを比較した無作為化試験で,ダラツムマブの投与を受けた軽鎖アミロイドーシス患者は,ダラツムマブの投与を受けなかった患者よりも血液学的完全奏効の頻度が高かった(53.3% 対 18.1%).もっとも多かった死因は心不全であった.

REVIEW ARTICLE

  • 脳静脈血栓症
    Cerebral Venous Thrombosis

    脳静脈血栓症

    脳静脈血栓症は局所神経障害と頭蓋内圧亢進を伴う梗塞を特徴とする.この病態は,Covid-19 に対する一部のワクチンの非常にまれな合併症として,播種性血管内凝固症候群と出血を伴う.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 前兆として現れる背部痛
    A Brewing Back Pain

    67 歳の男性が,横になると悪化する腰痛が 1 週間前から続き,受診した.男性には疲労が認められ,3 ヵ月間で意図的に 10 kg 減量していた.発熱,悪寒,寝汗,両脚の脱力または感覚異常,サドル型感覚消失,失禁は認められなかった.受診後数週間でさらに症状が現れ,経食道心エコー検査が行われた(動画で示す).

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 冠動脈圧迫を引き起こす弁周囲膿瘍
    Perivalvular Abscess Causing Coronary-Artery Compression

    冠動脈圧迫を引き起こす弁周囲膿瘍

    67 歳の女性が疲労と食欲不振を訴えて受診した.血液培養でミュータンス連鎖球菌(Streptococcus mutans)の発育が認められ,弁周囲の大動脈起始部で認められた膿瘍は,左冠動脈主幹部を圧迫していた.動画で示す.

NEJM QUICK TAKE

  • AL アミロイドーシスの転帰を改善する
    Improving Outcomes in AL Amyloidosis

    AL アミロイドーシスの転帰を改善する

    免疫グロブリン軽鎖(AL)アミロイドーシスは,致死的な全身性アミロイドーシスである.診断が遅れることが多く,血液学的完全寛解割合が不十分で,早期死亡率が高く,治療関連毒性の頻度が高い.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • セリアック病における粘膜傷害を減らす
    Reducing Mucosal Damage in Celiac Disease

    セリアック病における粘膜傷害を減らす

    セリアック病に対する唯一の治療は,厳格なグルテンフリー食を生涯にわたって遵守することであるが,粘膜回復が認められる患者は 50%程度であり,多くは症状の持続を訴える.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 継続的な学習に向けて
    Toward Continuous Learning

    継続的な学習に向けて

    J. Michael McGinnis が,ラーニングヘルスシステムの発展の支援について論じている.