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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

October 28, 2021
Vol. 385 No. 18

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 出血リスクの高い患者に対する抗血小板薬 2 剤併用療法
    DAPT in Patients at High Bleeding Risk

    生分解性ポリマーを用いたシロリムス溶出冠動脈ステント留置後 1 ヵ月の時点で,出血リスクの高い患者が,抗血小板薬 2 剤併用療法(DAPT)を中止する群と,さらに 2 ヵ月以上継続する群に無作為に割り付けられた.1 年の時点で,1 ヵ月間の DAPT はより長期の DAPT と比較して,虚血性心血管イベントに関しては非劣性を示し,出血に関しては優越性を示した.

  • 中等症~重症喘息に対するイテペキマブ
    Itepekimab in Moderate-to-Severe Asthma

    2 型炎症による中等症~重症喘息患者の多くは,現在利用可能な生物学的製剤の使用にもかかわらず喘息コントロールが不良である.この無作為化試験では,インターロイキン-33 に対するモノクローナル抗体であるイテペキマブによって,中等症~重症喘息患者の喘息コントロールが改善した.

  • 重症喘息に対するリサンキズマブ
    Risankizumab in Severe Asthma

    インターロイキン-23 は喘息の病因への関与が示唆されているが,重症喘息の成人を対象としたこの無作為化比較試験で,インターロイキン-23 のシグナル伝達をそのモノクローナル抗体であるリサンキズマブで阻害したところ,喘息の転帰はプラセボよりも不良となった.

  • ワクチン起因性免疫性血小板減少症/血栓症
    Vaccine-Induced Thrombocytopenia and Thrombosis

    英国で,ChAdOx1 nCoV-19 ワクチンの 1 回目の接種後,中央値で 14 日の時点で受診し,ワクチン起因性免疫性血小板減少症/血栓症(VITT)が確定またはほぼ確実とされた 220 例において,VITT の表現型が明らかにされた.半数が脳静脈洞血栓症を有し,その 1/3 は頭蓋内出血も有していた.死亡率は 22%であった.免疫グロブリン静注療法で VITT を改善できる可能性がある.

CLINICAL PRACTICE

  • 腹部大動脈瘤
    Abdominal Aortic Aneurysms

    腹部大動脈瘤

    腹部大動脈瘤の修復は,男性では瘤径が 5.5 cm 以上,女性では 5.0 cm 以上の場合に推奨される.無作為化試験では,ステントグラフト内挿術(EVAR)は,開腹手術よりも周術期の合併症と死亡のリスクが低かったが,約 2 年後の死亡率は同程度であった.EVAR 後は,画像検査による長期の観察が推奨される.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 有痛性口腔内潰瘍を有する男性
    A Man with Painful Mouth Ulcers

    68 歳の男性が,6 週間続く有痛性の口腔内潰瘍と体重減少のため入院した.潰瘍は,アシクロビル,プレドニゾン,コルチヒンの投与にもかかわらず悪化した.血中好酸球数が高く,HLA-B51 対立遺伝子陽性であった.診断のための手技が行われた.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 小児アカラシア
    Pediatric Achalasia

    13 歳の男児が夜間の咳嗽を訴えて受診した.バリウム嚥下検査で食道の狭窄が認められ,アカラシアに一致する所見であった.Heller 筋層切開術後に症状は消失した.

NEJM QUICK TAKE

  • 出血リスクの高い患者における PCI 後の抗血小板薬 2 剤併用療法
    Dual Antiplatelet Therapy Post-PCI in Patients at High Bleeding Risk

    出血リスクの高い患者の薬剤溶出性冠動脈ステント留置後に,出血リスクを最小限に抑えながら虚血性合併症のリスクを低減させるための,抗血小板薬 2 剤併用療法の適切な期間は明らかにされていない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 重症喘息に対するリサンキズマブとプラセボとの比較
    Risankizumab vs. Placebo in Severe Asthma

    重症喘息に対するリサンキズマブとプラセボとの比較

    重症喘息患者は,高用量吸入ステロイドを使用しても疾患コントロールが不良で,増悪が頻回に生じる.インターロイキン-23 は喘息の病因への関与が示唆されているが,抗インターロイキン-23 モノクローナル抗体リサンキズマブが重症喘息の有効な治療法であるかは明らかにされていない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • ワクチン起因性免疫性血小板減少症/血栓症
    Vaccine-Induced Immune Thrombocytopenia and Thrombosis

    ワクチン起因性免疫性血小板減少症/血栓症

    ワクチン起因性免疫性血小板減少症/血栓症は,まれではあるが,Covid-19 に対する ChAdOx1 nCoV-19 アデノウイルスベクターワクチンの接種者に出現する,最近同定された症候群である.その臨床像と予後マーカーに関するデータは限られている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 慢性疾患のケアと健康の公平性
    Chronic-Disease Care and Health Equity

    慢性疾患のケアと健康の公平性

    Marshall Chin が,医療システムの慢性疾患の管理アプローチにおける格差と不公平性について論じている.