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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
August 26, 2021
Vol. 385 No. 9
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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重篤な Covid-19 患者に対する抗凝固療法
Anticoagulation in Critically Ill Patients with Covid-19無作為化試験で,重症 Covid-19 患者が,治療用量のヘパリンによる抗凝固療法を受ける群と,通常治療の薬剤による血栓予防を受ける群に割り付けられた.治療用量での抗凝固療法は,院内生存率も,21 日目までの心血管系または呼吸器のサポートを受けていない日数も改善しなかった.
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中等症の Covid-19 患者に対する抗凝固療法
Anticoagulation in Moderate Covid-19無作為化試験で,中等症の Covid-19 患者が,治療用量のヘパリンによる抗凝固療法を受ける群と,通常治療の血栓予防を受ける群に割り付けられた.21 日目まで臓器サポートなしで生存退院する確率は,治療用量の抗凝固療法のほうが通常治療の血栓予防よりも高かった.
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マラリア予防のためのモノクローナル抗体
A Monoclonal Antibody for Malaria Preventionマラリアは,依然として世界中で相当数の合併症と死亡の原因となっている.この報告では,改変したモノクローナル抗体の投与により,コントロール下でのヒト感染モデルにおけるマラリア感染に対する防御効果が示された.
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Phe508del-ゲーティング遺伝子型および Phe508del-機能残存遺伝子型の囊胞性線維症
CF with Phe508del-Gating and -Residual Function Genotypesエレクサカフトール+テザカフトール+アイバカフトール療法は,少なくとも 1 コピーの Phe508del アレルを有する患者の囊胞性線維症に有効である.Phe508del アレルに加えてゲーティングアレルまたは機能残存アレルのいずれかを有する患者を対象とした試験で,エレクサカフトール+テザカフトール+アイバカフトールは対照実薬療法と比較して肺機能を改善した.
REVIEW ARTICLE
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ヘパリン抵抗性
Heparin Resistance活性化部分トロンボプラスチン時間を治療域に到達させるのに通常より多くのヘパリンが必要な場合,ヘパリン抵抗性が疑われる.管理としては,ヘパリンの増量,アンチトロンビン III の補充,トロンビン直接阻害薬の使用などがある.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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急性骨髄性白血病が再発した男性
A Man with Relapsed Acute Myeloid Leukemia49 歳の男性が,急性骨髄性白血病が最初に診断され,治療が行われてから 14 ヵ月後に再発したため評価を受けた.再発時の分子遺伝学的プロファイリングにより,FLT3 の遺伝子内縦列重複変異(FLT3-ITD)が新たに同定された.骨髄生検が行われ,管理の意思決定がなされた.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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心臓の発生をモデル化する
Modeling Heart Development幹細胞を用いた発生段階の心臓のモデル化は困難であることがわかっている.しかし最近の研究で,そのようなモデルの開発の基盤である単腔の「カーディオイド」が作製された.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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環状梅毒疹
Circinate Syphilitic Lesions30 歳の男性が,顔面,両手,両足の環状皮疹を訴えて受診した.梅毒血清反応の VDRL 法では抗体価 1:32 で陽性であり,梅毒の診断が確定した.
NEJM QUICK TAKE
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Covid-19 入院患者における治療的抗凝固療法
Therapeutic Anticoagulation in Hospitalized Patients with Covid-19Covid-19 の患者は血栓症のリスクがある.臨床転帰を改善するための治療用量のヘパリン投与の安全性と有効性は不明である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
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マラリア予防のためのモノクローナル抗体
A Monoclonal Antibody for Malaria Prevention毎年,マラリアにより世界で 40 万人近くが死亡している.第 1 相臨床試験で,マラリア予防のための新規モノクローナル抗体の安全性と有効性が検討された.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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アデュカヌマブの事例を分析する
Breaking Down the Aducanumab CaseGil Rabinovici が,議論の的となっている, アルツハイマー病新薬の FDA 承認について論じている.