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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 17, 2022
Vol. 386 No. 11

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 血友病 A に対する遺伝子治療
    Gene Therapy for Hemophilia A

    重症血友病 A 患者が,凝固第 VIII 因子の cDNA を含むアデノウイルス構築物の投与を受け,1~3 年間追跡された.第 VIII 因子活性の中央値は 49~52 週の時点で 24 IU/dL であり,出血の年間発生率は投与後に低下した.とくに頻度の高かった毒性はアラニンアミノトランスフェラーゼ上昇であり,主にグルココルチコイドでコントロールされた.

  • プレカリクレインと遺伝性血管性浮腫
    Prekallikrein and Hereditary Angioedema

    C1 インヒビター欠損による遺伝性血管性浮腫は,予測不能で死にいたることもある浮腫を特徴とし,第 XIIa 因子と血漿カリクレインの制御不能な活性により,血管透過性が局所的に亢進することで生じる.小規模無作為化比較試験で,プレカリクレインを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは,17 週間で発作を 90%抑制した.

  • 全身性エリテマトーデスに対するセレブロン調節薬の試験
    Trial of a Cereblon Modulator in SLE

    中等度~重度の全身性エリテマトーデス患者を対象としたイベルドミドの第 2 相試験で,複数の指標で反応を評価する指標(SRI-4)で反応が認められた患者の割合は,イベルドミド(0.45 mg)群では 54%であったのに対し,プラセボ群では 35%であった.しかし,0.45 mg より低い用量では,プラセボとの差は有意ではなかった.尿路感染症,上気道感染症,好中球減少が認められた.

  • Covid-19 ワクチンブースターの免疫作用
    Immune Effects of Covid-19 Vaccine Boosters

    現在承認されている Covid-19 ワクチンの接種を完了した参加者が,同種ワクチンまたは異種ワクチンのブースター接種を受け,15 日目と 29 日目に免疫応答が測定された.同種ブースターでは中和抗体価が 4~20 倍に上昇したのに対し,異種ブースターでは 6~73 倍に上昇した.

REVIEW ARTICLE

  • 特発性器質化肺炎
    Cryptogenic Organizing Pneumonia

    特発性器質化肺炎

    特発性器質化肺炎(COP)(以前は閉塞性細気管支炎を伴う器質化肺炎 [BOOP] と呼ばれていた)では呼吸器症状が生じ,通常は治療によく反応する肺浸潤を認めるが,誤診されることが多い.この総説では,COP の病理生物学,診断,治療について論じている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 腫脹発作が繰り返し出現する女性
    A Woman with Episodes of Swelling

    54 歳の女性が,腹痛,悪心,嘔吐のため,救急部で評価された.腹部骨盤 CT で,空腸壁の全周性肥厚が認められた.特記すべき既往歴に,繰り返し出現する上肢,手,足の腫脹があった.診断のための検査が行われ,治療の意思決定がなされた.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 悪性梅毒
    Malignant Syphilis

    未治療の HIV 感染者である 42 歳の男性が,潰瘍性皮膚病変と全身症状を訴えて受診した.急速血漿レアギン試験での抗体価は 1:512 で,皮膚生検検体ではスピロヘータが認められた.悪性梅毒と診断された.これは第 2 期梅毒のまれな一型である.

NEJM QUICK TAKE

  • 遺伝性血管性浮腫に対するドニダロルセン
    Donidalorsen for Hereditary Angioedema

    遺伝性血管性浮腫の発作は,カリクレインの過剰な活性化が一因となって起こる.検討されているドニダロルセンは,プレカリクレインを阻害することにより,血管性浮腫の疾患活動性を抑制する可能性がある.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 全身性エリテマトーデスに対するイベルドミド
    Iberdomide for Systemic Lupus Erythematosus

    全身性エリテマトーデスに対するイベルドミド

    イベルドミドは,全身性エリテマトーデスで過剰発現している,免疫細胞に影響を及ぼす 2 つのジンクフィンガー転写因子の分解を促進する現在試験中の薬剤である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 異種 Covid-19 ワクチンによるブースター接種
    Heterologous Covid-19 Booster Vaccinations

    異種 Covid-19 ワクチンによるブースター接種

    Covid-19 のブレイクスルー感染がワクチン接種完了者で起こっており,最初のワクチンとブースターワクチンのさまざまな組合せに関するデータの必要性が示されている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 終末期医療のための環境
    Settings for End-of-Life Care

    終末期医療のための環境

    Melissa Wachterman が,米国の人々が最期を迎える場所を選ぶ際の,文化的要因と金銭的な誘因について論じている.