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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
April 7, 2022
Vol. 386 No. 14
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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広範囲脳梗塞に対する血管内治療
Endovascular Therapy for Stroke with Large Infarctions脳梗塞に対する血管内治療は,脳梗塞の範囲が広い場合には行われないことが多い.日本で行われた試験で,90 日の時点で良好な機能的転帰が得られた患者の割合は,血管内治療を行った場合のほうが内科的治療のみを行った場合よりも高かったが,脳出血は血管内治療を行った場合のほうが多かった.
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南アフリカにおけるオミクロン株は拡大がより早く,重症度は低い
More Rapid Spread, Less Severe Disease with Omicron in South Africaオミクロン株が最初に同定された南アフリカ・ハウテン州では,ワクチン未接種の居住者の 2/3 が SARS-CoV-2 血清陽性であり,感染歴を有することが示された.オミクロン株は,検出後わずか 1 ヵ月でピークに達したが,症例数に比して,入院と死亡が増加することはなかった.この変化が,多数の人にすでに存在していた免疫に関連しているのか,ウイルスの特徴に関連しているのかは不明である.
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複雑性尿路感染症に対するテビペネム
Tebipenem for Complicated Urinary Tract Infection抗菌薬耐性菌に対して活性を示す経口抗菌薬が必要とされている.ダブルダミー無作為化比較試験で,テビペネム ピボキシル臭化水素酸塩(経口で生物学的に利用可能なカルバペネム系薬)は,複雑性尿路感染症の治療において,エルタペネム静注に対して非劣性であった.
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短報:多系統萎縮症における植込み型刺激装置
Brief Report: Implanted Stimulator in Multiple-System Atrophy胸髄と交感神経節を刺激する植込み型デバイス(通常は疼痛の治療に使用される)は,体位の変化を検出する加速度計と一体型であった.このデバイスにより,多系統萎縮症の 1 例が,失神することなく立ち上がり,歩けるようになった(動画で示す).
REVIEW ARTICLE
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クロイツフェルト–ヤコブ病の診断
Diagnosis of Creutzfeldt–Jakob Diseaseクロイツフェルト–ヤコブ病の診断は,脳波および MRI での特徴的な所見の検出から,髄液中 14-3-3 蛋白の検出,およびリアルタイム攪拌変換(RT-QuIC)法によるミスフォールドしたプリオン蛋白の検出にまで進歩しており,感度と特異度は 100%に近い.
CLINICAL PROBLEM-SOLVING
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火急の問題
A Burning Question35 歳の男性が,労作時呼吸困難と咳嗽のため,退役軍人局の呼吸器クリニックを受診した.症状は受診の 4 年前に始まっており,経時的に進行していた.
Videos, Images, and Multimedia
VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE
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挿管中の BMI 高値患者の腹臥位
Prone Positioning of Intubated Patients with High BMI急性呼吸促迫症候群(ARDS)の患者では,腹臥位により酸素化が改善し,死亡率が低下する.この動画では,挿管中の患者に腹臥位をとらせる方法を,体格指数(BMI)が 30 を超えている患者と,長時間の腹臥位を必要とする患者に重点をおいて実演する.
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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ヒツジバエによる外眼部ハエ幼虫症
External Ophthalmomyiasis Due to Oestrus ovis53 歳の男性が,羊牧場の近くで庭仕事をした後に,右眼の痒みを訴えて受診した.検査では,動画に示すとおり,角膜と結膜で動く半透明の幼虫が多数観察された.幼虫は摘出され,ヒツジバエ(Oestrus ovis)と同定された.
NEJM QUICK TAKE
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広範囲脳梗塞に対する血管内治療
Endovascular Therapy for Large Cerebral Infarction急性期脳梗塞に対する標準治療は血管内治療であるが,脳梗塞の範囲が広い患者の多くは,頭蓋内出血をきたす懸念があるため血管内治療は行われない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
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複雑性尿路感染症に対する経口抗菌薬
Oral Antibiotic for Complicated Urinary Tract Infection複雑性尿路感染症に有効な経口治療薬が必要とされている.カルバペネム系薬の経口プロドラッグであるテビペネム ピボキシル臭化水素酸塩は,可能性のある選択肢の一つである.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
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多系統萎縮症における植込み型神経刺激装置
Implanted Neurostimulator in Multiple-System Atrophy多系統萎縮症の患者は,衰弱性の起立性低血圧を有することが多い.植込み型脊髄刺激装置は,この低血圧と関連する失神を管理できる可能性がある.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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「賢く選ぼう(Choosing Wisely)」を再考する
Reflecting on Choosing WiselyVikas Saini が,「賢く選ぼう(Choosing Wisely)」キャンペーンと,価値の低い医療に取り組む方法について論じている.