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日本語アブストラクト

アイスランドにおける SARS-CoV-2 に対する液性免疫応答
Humoral Immune Response to SARS-CoV-2 in Iceland

D.F. Gudbjartsson and Others

背景

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)感染に対する液性免疫応答の特徴と持続性はほとんどわかっていない.

方 法

アイスランドの 30,576 人の血清中の抗体を 6 種類の測定法(2 種類の全免疫グロブリン [pan-Ig] 測定法を含む)を用いて測定した.2 種類の pan-Ig 測定法が双方とも陽性であることが,血清抗体陽性の適切な指標と判断した.定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)陽性者の検体は,回復直後と診断後最長 4 ヵ月の時点で採取し,合計 1,237 例,2,102 検体となった.SARS-CoV-2 に曝露し隔離された人 4,222 例と,曝露が確認されていない人 23,452 例の抗体を測定した.

結 果

SARS-CoV-2 感染の回復者 1,797 例のうち,検査を受けた 1,215 例中 1,107 例(91.1%)が血清抗体陽性であった.2 種類の pan-Ig 測定法で測定した抗ウイルス抗体価は,定量的 PCR による診断後 2 ヵ月間上昇し,上昇した値はその後 2 ヵ月間一定の状態で持続した.隔離された人の 2.3%が血清抗体陽性であり,曝露が確認されていない人では 0.3%が陽性であった.アイスランド人の SARS-CoV-2 感染率は 0.9%,感染致死率は 0.3%と推定された.また,アイスランドにおける SARS-CoV-2 感染全体のうち,定量的 PCR で診断された割合は 56%,隔離されて定量的 PCR 検査を受けなかった(あるいは受けても結果が陽性ではなかった)人に発生した割合は 14%,隔離されず定量的 PCR も受けなかった人に発生した割合は 30%と推定された.

結 論

今回の結果は,抗 SARS-CoV-2 ウイルス抗体価は診断後 4 ヵ月以内に低下しなかったことを示している.感染による死亡リスクは 0.3%で,アイスランドにおける SARS-CoV-2 感染者の 44%は定量的 PCR による診断を受けなかったと推定される.

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2026116)