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日本語アブストラクト

より高齢の成人における SARS-CoV-2 mRNA-1273 ワクチンの安全性と免疫原性
Safety and Immunogenicity of SARS-CoV-2 mRNA-1273 Vaccine in Older Adults

E.J. Anderson and Others

背景

新型コロナウイルス感染症(Covid-19)による重症化率と死亡率は年齢とともに高くなることが示されていることから,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)感染を予防するワクチン候補の試験を高齢者集団で行うことは重要である.

方 法

膜融合前の安定化させた SARS-CoV-2 スパイク蛋白(S-2P)をコードするメッセンジャー RNA ワクチン mRNA-1273 の第 1 相用量漸増非盲検試験を,健康な成人を対象に行った.今回,試験を拡大してより高齢の成人 40 例を加え,年齢(56~70 歳,または≧71 歳)で層別化した.すべての参加者を,ワクチン 25μg または 100μg をそれぞれ 28 日間隔で 2 回接種する 2 群に連続的に割り付けた.

結 果

自発報告された有害事象は大部分が軽度または中等度であり,とくに頻度が高かったのは疲労,悪寒,頭痛,筋肉痛,注射部位の疼痛であった.有害事象は用量依存的であり,2 回目の接種後のほうが頻度が高かった.結合抗体応答は初回接種後に急速に上昇した.57 日目に,25μg を接種された参加者の抗 S-2P 抗体の幾何平均抗体価(GMT)は 56~70 歳で 323,945,71 歳以上で 1,128,391 であり,100μg を接種された参加者では,56~70 歳で 1,183,066,71 歳以上で 3,638,522 であった.2 回目の接種後,すべての参加者で血清中の中和活性が複数の方法で検出された.結合抗体応答と中和抗体応答は,以前報告した 18~55 歳のワクチン接種者の値と同程度であると思われ,回復期血清を提供した対照群の中央値を上回っていた.ワクチンは 1 型ヘルパー T 細胞を含む強力な CD4 サイトカイン応答を誘導した.

結 論

より高齢の成人を対象とした小規模試験で,mRNA-1273 ワクチンに関連する有害事象は大部分が軽度または中等度であった.用量は 100μg で 25μg よりも高い結合抗体価と中和抗体価が得られ,第 3 相試験では 100μg を用いることを支持している.(米国国立アレルギー・感染症研究所ほかから研究助成を受けた.mRNA-1273 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04283461)

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2028436)