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Covid-19 の予防を目的としたヒドロキシクロロキンのクラスター無作為化試験
A Cluster-Randomized Trial of Hydroxychloroquine for Prevention of Covid-19

O. Mitjà and Others

背景

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)感染予防のための現在の戦略は,非薬理学的介入に限られている.ヒドロキシクロロキンは,新型コロナウイルス感染症(Covid-19)を予防するための曝露後治療として提案されているが,決定的なエビデンスは得られていない.

方 法

スペインのカタルーニャ州で,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で確認された Covid-19 患者の無症状の接触者を対象として非盲検クラスター無作為化試験を行った.接触者のクラスターをヒドロキシクロロキン群(800 mg を 1 回,その後 400 mg 1 日 1 回を 6 日間投与),または通常診療群(特別な治療を行わない)に無作為に割り付けた.主要転帰は,14 日以内に PCR 法で確認された症候性 Covid-19 とした.副次的転帰は SARS-CoV-2 感染とし,Covid-19 に合致する症状,または症状の有無にかかわらず PCR 陽性と定義した.有害事象は最長で 28 日間評価した.

結 果

解析には,2020 年 3 月 17 日~4 月 28 日に同定された Covid-19 の発端患者 672 例と,その接触者で健康な人 2,314 例が含まれた.これらの接触者のうち,1,116 例がヒドロキシクロロキン投与群,1,198 例が通常診療群に無作為に割り付けられた.PCR 法で確認された症候性 Covid-19 の発生率に関して,ヒドロキシクロロキン投与群と通常診療群とで結果は同程度であった(それぞれ 5.7%と 6.2%,リスク比 0.86 [95%信頼区間 0.52~1.42]).さらに,ヒドロキシクロロキン群の SARS-CoV-2 の伝播率は通常診療群と比較して低くなかった(それぞれ 18.7%と 17.8%).有害事象の発現率はヒドロキシクロロキン群のほうが通常診療群よりも高かったが(56.1% 対 5.9%),治療に関連する重篤な有害事象は報告されなかった.

結 論

ヒドロキシクロロキンによる曝露後治療は,PCR 陽性患者に曝露した健康な人の SARS-CoV-2 感染および症候性 Covid-19 を予防しなかった.(クラウドファンディングキャンペーン「YoMeCorono」ほかから研究助成を受けた.BCN-PEP-CoV2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04304053)

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2021801)