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Covid-19 に対する抗ウイルス薬の転用 ― WHO Solidarity 試験の中間結果
Repurposed Antiviral Drugs for Covid-19 ― Interim WHO Solidarity Trial Results

WHO Solidarity Trial Consortium

背景

世界保健機関(WHO)の専門家グループは,新型コロナウイルス感染症(Covid-19)入院患者に対し,4 つの抗ウイルス薬,すなわちレムデシビル,ヒドロキシクロロキン,ロピナビル,インターフェロンβ-1a を転用した場合の死亡率への影響に関する試験の実施を推奨した.

方 法

Covid-19 入院患者を,現地で入手可能な試験薬のレジメンと,非盲検の対照治療(すなわち 4 つの実薬と現地の標準治療の,最大 5 つの選択肢)のいずれかに均等かつ無作為に割り付けた.intention-to-treat 解析による一次解析では,各試験薬とその対照治療(その薬剤は入手可能であるが,使用せず,ほかは同一の治療を行う)の 4 通りの一対比較により,院内死亡率を検討した.死亡率比は,年齢と,試験登録時の人工呼吸管理の状態で層別化して算出した.

結 果

30 ヵ国 405 病院で成人患者 11,330 例が無作為化された.2,750 例がレムデシビル,954 例がヒドロキシクロロキン,1,411 例がロピナビル(インターフェロンは併用せず),2,063 例がインターフェロン(うち 651 例はインターフェロン+ロピナビル),4,088 例が試験薬なしに割り付けられた.アドヒアランス率は治療の途中段階で 94~96%,クロスオーバー率は 2~6%であった.計 1,253 例の死亡が報告された(死亡日の中央値 8 日目,四分位間範囲 4 日目~14 日目).28 日死亡率の Kaplan-Meier 推定値は 11.8%(無作為化時にすでに人工呼吸管理を受けていた場合は 39.0%,そうでない場合は 9.5%)であった.死亡はレムデシビル投与を受けていた 2,743 例中 301 例,その対照治療を受けていた 2,708 例中 303 例(率比 0.95,95%信頼区間 [CI] 0.81~1.11,P=0.50),ヒドロキシクロロキン投与を受けていた 947 例中 104 例,その対照治療を受けていた 906 例中 84 例(率比 1.19,95% CI 0.89~1.59,P=0.50),ロピナビル投与を受けていた 1,399 例中 148 例,その対照治療を受けていた 1,372 例中 146 例(率比 1.00,95% CI 0.79~1.25,P=0.97),インターフェロン投与を受けていた 2,050 例中 243 例,その対照治療を受けていた 2,050 例中 216 例(率比 1.16,95% CI 0.96~1.39,P=0.11)で発生した.全体およびいずれのサブグループにおいても,死亡率を明確に低下させた薬剤はなく,また,人工呼吸管理の開始を抑制した薬剤も,入院期間を短縮させた薬剤もなかった.

結 論

レムデシビル,ヒドロキシクロロキン,ロピナビル,インターフェロンを用いたこれらレジメンの Covid-19 入院患者に対する効果は,全死亡率,人工呼吸管理の開始,入院期間に示されたとおり,ほとんどあるいはまったくなかった.(世界保健機関から研究助成を受けた.ISRCTN 登録番号 ISRCTN83971151,ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04315948)

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2023184)