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Covid-19 入院患者に対する中和モノクローナル抗体
A Neutralizing Monoclonal Antibody for Hospitalized Patients with Covid-19

ACTIV-3/TICO LY-CoV555 Study Group

背景

中和モノクローナル抗体 LY-CoV555 は,新型コロナウイルス感染症(Covid-19)外来患者におけるウイルス量の減少と,入院または救急受診の頻度低下と関連することが示されている.この抗体の Covid-19 入院患者に対する効果のデータが必要である.

方 法

治療物質のプラットフォーム試験で,臓器不全を伴わない Covid-19 入院患者を,LY-CoV555 またはマッチさせたプラセボに 1:1 の割合で無作為に割り付けた.これに加えて,全例に基礎治療として抗ウイルス薬レムデシビルの投与や,適応に応じた酸素投与およびグルココルチコイド投与など,質の高い支持療法を行った.LY-CoV555(1 回 7,000 mg)またはプラセボは,1 時間かけて単回で静脈内投与した.主要転帰は 90 日間の持続的回復とし,生存時間(time-to-event)解析で評価した.無益性の中間評価は,5 日目の肺機能の 7 段階の順序尺度に基づいて行った.

結 果

2020 年 10 月 26 日,データ安全性モニタリング委員会は無益性のため登録の中止を勧告した.この時点で 314 例(LY-CoV555 群 163 例,プラセボ群 151 例)が無作為化され,投与を受けていた.発症からの期間の中央値は 7 日(四分位範囲 5~9 日)であった.5 日目の時点で,LY-CoV555 群の 81 例(50%)とプラセボ群の 81 例(54%)が,肺転帰が良好であることを示すカテゴリー 1 または 2 に該当した.7 段階のカテゴリーで,LY-CoV555 群がプラセボ群よりも良好なカテゴリーに該当するオッズ比は 0.85(95%信頼区間 [CI] 0.56~1.29,P=0.45)であった.主要安全性転帰(5 日目までの,死亡,重篤な有害事象,グレード 3 または 4 の有害事象の複合)が発生した患者の割合は,LY-CoV555 群とプラセボ群で同程度であった(それぞれ 19%と 14%,オッズ比 1.56,95%信頼区間 [CI] 0.78~3.10,P=0.20).持続的回復の率比は 1.06(95% CI 0.77~1.47)であった.

結 論

臓器不全を伴わない Covid-19 入院患者において,モノクローナル抗体 LY-CoV555 をレムデシビルと併用投与した場合に,有効性は認められなかった.(ワープスピード作戦ほかから研究助成を受けた.TICO 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04501978)

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2033130)