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回復者血漿の抗体価と Covid-19 による死亡リスク
Convalescent Plasma Antibody Levels and the Risk of Death from Covid-19

M.J. Joyner and Others

背景

回復者血漿は新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の治療に広く用いられている.回復者血漿には治療的効果をもつ可能性のある抗重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)抗体が含まれ,投与した患者に抗体を移入できるという推定のもとに使用されている.抗体価の高い回復者血漿が,抗体価の低い血漿よりも低い死亡リスクと関連するかどうかは不明である.

方 法

全米登録に基づく後ろ向き研究において,Covid-19 で入院中の成人患者の治療に使用された回復者血漿中の抗 SARS-CoV-2 IgG 抗体価を明らかにした.主要転帰は血漿投与後 30 日以内の死亡とした.2020 年 7 月 4 日までに登録され,投与された血漿中の抗 SARS-CoV-2 抗体価と 30 日死亡に関するデータを入手しえた患者を解析対象とした.

結 果

3,082 例を解析対象とした.血漿投与後 30 日以内の死亡は高抗体価群の 515 例中 115 例(22.3%),中等度抗体価群の 2,006 例中 549 例(27.4%),低抗体価群の 561 例中 166 例(29.6%)に発生した.抗 SARS-CoV-2 抗体価と Covid-19 による死亡リスクとの関連は人工呼吸管理の有無によって決定され,投与前に人工呼吸管理を受けていなかった患者では,高抗体価群のほうが低抗体価群よりも 30 日以内の死亡リスクが低く(相対リスク 0.66,95%信頼区間 [CI] 0.48~0.91),人工呼吸管理を受けていた患者では死亡リスクへの影響は認められなかった(相対リスク 1.02,95% CI 0.78~1.32).

結 論

人工呼吸管理を受けていなかった Covid-19 入院患者では,抗 SARS-CoV-2 IgG 抗体価のより高い血漿の投与は,より低い血漿の投与と比較して死亡リスクが低いことと関連した.(米国保健福祉省ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04338360)

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2031893)