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外来診療および入院診療の場における Covid-19 ワクチンの有効性
Effectiveness of Covid-19 Vaccines in Ambulatory and Inpatient Care Settings

M.G. Thompson and Others

背景

新型コロナウイルス感染症(Covid-19)に対して現在米国で承認されているワクチンは,症状のある Covid-19 に対する有効性が示されているが,入院,集中治療室(ICU)入室,救急部または緊急診療所での外来診療に対する有効性に関するデータは限られている.

方 法

Covid-19 様疾患で受診し,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)の分子検査を受けた成人(50 歳以上)を対象とする研究を行った.2021 年 1 月 1 日~6 月 22 日の期間に発生した,米国の複数州に所在する,187 病院への入院 41,552 件と,221 の救急部または緊急診療所への受診 21,522 件を評価した.患者のワクチン接種状況は,電子診療録と予防接種登録で確認した.ワクチンの有効性を推定するため,検査で陰性であった人を対照とする test-negative デザインを用いて,ワクチン接種を受けている患者における SARS-CoV-2 感染検査陽性のオッズを,ワクチン未接種の患者におけるオッズと比較した.ワクチンの有効性は,ワクチン接種の傾向スコアでの重み付けと,年齢,地理的区分,暦上の期間(2021 年 1 月 1 日から,指標としたそれぞれの医療受診日までの日数),地域のウイルス流行状況で補正した.

結 果

メッセンジャー RNA(mRNA)ワクチンの完全接種(2 回目の接種後 14 日以上経過)の有効性は,入院にいたった,検査で確認された SARS-CoV-2 感染に対して 89%(95%信頼区間 [CI] 87~91),ICU 入室にいたった感染に対して 90%(95% CI 86~93),救急部・緊急診療所受診にいたった感染に対して 91%(95% CI 89~93)であった.Covid-19 に関連する入院,または救急部・緊急診療所受診に対する完全接種の有効性は,BNT162b2 ワクチンと mRNA-1273 ワクチンで同程度であり,85 歳以上,慢性疾患を有する人,黒人,ヒスパニック系のサブグループで 81~95%の範囲であった.Ad26.COV2.S ワクチンの有効性は,入院にいたった,検査で確認された SARS-CoV-2 感染に対して 68%(95% CI 50~79),救急部・緊急診療所受診にいたった感染に対して 73%(95% CI 59~82)であった.

結 論

米国における Covid-19 ワクチンは,入院,ICU 入室,救急部または緊急診療所受診を必要とする SARS-CoV-2 感染に対する有効性が高かった.この有効性は,SARS-CoV-2 感染による重症者が不均衡に多い集団においても認められた.(米国疾病対策予防センターから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2110362)