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カタールにおける BNT162b2 ワクチンの SARS-CoV-2 感染に対する防御効果の減衰
Waning of BNT162b2 Vaccine Protection against SARS-CoV-2 Infection in Qatar

H. Chemaitelly and Others

背景

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)感染,新型コロナウイルス感染症(Covid-19)に対するワクチンの防御効果の減衰が懸念されている.カタールでは,変異株の B.1.351(ベータ株)と B.1.617.2(デルタ株)が感染の大部分を占め,PCR 検査が集団規模で行われているが,そのようなカタールでの,BNT162b2 ワクチン(ファイザー社–ビオンテック社)の SARS-CoV-2 感染および Covid-19 に対する有効性の持続は不明である.

方 法

2021 年 1 月 1 日~9 月 5 日に,マッチさせた検査陰性者を対照とする(test-negative)症例対照研究デザインを用いて,BNT162b2 ワクチンのすべての SARS-CoV-2 感染に対する有効性,および Covid-19 の重症,重篤,致死的な症例に対する有効性を推定した.

結 果

BNT162b2 ワクチンのすべての SARS-CoV-2 感染に対する有効性は,初回接種後最初の 2 週間はほとんどなしと推定された.初回接種後 3 週目に 36.8%(95%信頼区間 [CI] 33.2~40.2)に上昇し,2 回目の接種後 1 ヵ月でピークの 77.5%(95% CI 76.4~78.6)に達した.有効性はその後徐々に低下して,4 ヵ月を経過すると低下が加速し,5~7 ヵ月は約 20%となった.症状を伴う感染に対する有効性は無症状の感染に対する有効性よりも高かったが,同様に低下した.変異株に特異的な有効性は同様のパターンで減衰した.Covid-19 の重症,重篤,致死的な症例に対する有効性は,初回接種後 3 週目までに急速に上昇して 66.1%(95% CI 56.8~73.5)となり,2 回目の接種後 1~2 ヵ月に 96%以上に達し,6 ヵ月間ほぼこのレベルで持続した.

結 論

BNT162b2 ワクチンによって誘導される SARS-CoV-2 感染に対する防御効果は,2 回目の接種後にピークに達した後,急速に低下すると思われた.しかし入院および死亡に対する防御効果は,2 回目の接種後 6 ヵ月間高く安定したレベルで持続した.(ワイル・コーネル医科大学カタール校ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2114114)