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大規模医療組織における Covid-19 ワクチン接種後の心筋炎
Myocarditis after Covid-19 Vaccination in a Large Health Care Organization

G. Witberg and Others

背景

心筋炎の発症と,新型コロナウイルス感染症(Covid-19)に対するメッセンジャー RNA(mRNA)ワクチン接種との関連が複数の報告で示唆されているが,ワクチン接種後の心筋炎の頻度と重症度について,広範な検討は行われていない.

方 法

イスラエル最大の医療組織(HCO)であるクラリットヘルスサービスのデータベースを用いて,BNT162b2 mRNA ワクチン(ファイザー社–ビオンテック社)を 1 回以上接種した患者における心筋炎の診断を検索した.心筋炎の診断は,米国疾病対策センターの症例定義を用いて心臓病専門医が判定した.患者の電子診療録から,受診時の症状,臨床経過,転帰を抽出した.初回接種後 42 日間の心筋炎の発症率について Kaplan–Meier 解析を行った.

結 果

ワクチン接種を受けた 16 歳以上の HCO 加入者 250 万人超のうち,54 例が心筋炎の基準に合致した.接種を 1 回以上受けた人における心筋炎の発症率は,100,000 人あたり 2.13 例(95%信頼区間 [CI] 1.56~2.70)と推定された.発症率がもっとも高かったのは 16~29 歳の男性であった(100,000 人あたり 10.69 例,95% CI 6.93~14.46).心筋炎症例の 76%は軽症,22%は中等症と分類され,1 例は心原性ショックを伴った.心筋炎発症後の追跡期間中央値 83 日の時点で,1 例が再入院し,1 例が退院後に原因不明で死亡していた.入院時の心エコー検査で左室機能障害が認められた 14 例のうち,10 例では退院時にも障害が持続していた.この 10 例のうち,5 例はその後の検査で心機能が正常であることが確認された.

結 論

BNT162b2 mRNA ワクチンを 1 回以上接種したイスラエルの大規模医療システムの患者において,心筋炎の発症率は 100,000 人あたり 2.13 例と推定され,16~29 歳の男性がもっとも高かった.心筋炎症例の大部分は軽症または中等症であった.(ハーバード大学医学部–クラリット研究所 アイバン&フランチェスカ・バーコウィッツ・ファミリー生活研究所共同プログラムから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト(DOI: 10.1056/NEJMoa2110737)