Thank you from NEJM(NEJMから)

1812-2012 NEJM 200th
Jeffrey M. Drazen, M.D., Editor-in-Chief
The New England Journal of Medicine

The New England Journal of Medicineの200年を振り返ると、その歴史的な価値、永続的な価値を私は誇りに思います。私たちは、医師や医療に携わる専門家の方々へ最良の情報を提供するという共通の使命によって突き動かされてきました。この献身によって、NEJMは世界でもっとも広く読まれ尊敬される医学雑誌となり得たのです。

NEJMのチーム全体を代表し、感謝の気持ちを表したいと思います。

  • ・私たちがその偉業をたたえる、何世代もの研究者、著者、レビュアー、編集者に
  • ・NEJMがその使命を果たすのを支えてくれた、パートナーとしての世界中の施設や企業に
  • ・医学の技術や科学を学び、実践し、そして得た英知を患者の生活を向上させるために捧げた数百万の人々に

私たちの200回目の誕生日を一緒に祝ってください。

As I reflect on the 200th anniversary of the New England Journal of Medicine, I'm proud of the historic and lasting values of this organization. We are driven by a collective mission to provide the best information possible to physicians and other health care professionals. This dedication has made NEJM the most widely read and respected medical journal in the world.

On behalf of the entire NEJM team, I want to thank and acknowledge:

  • - The generations of researchers, authors, reviewers, and editors upon whose shoulders we stand
  • - Our partner institutions and businesses around the globe that help NEJM fulfill its mission
  • - The millions who study and practice the art and science of medicine and use the wisdom gained to improve the lives of patients

Please join us in celebrating our 200th birthday !

History of NEJM(NEJMの歴史)

The New England Journal of Medicineは、創刊以来刊行が継続されている医学系定期刊行物としては世界でもっとも古く、医学界に貢献し続け2012年で200年を迎える。

1811年、米国Massachusetts Medical College(ハーバード大学医学部)の医師であり解剖学者であったDr. John Collins Warrenは、同僚のDr. James Jackson らとともに、米国北東部ニューイングランドで初となる医学雑誌の創刊に着手した。

1812年1月、ボストンでついに第1号が発行されたその季刊誌の名は、The New England Journal of Medicine and Surgery and the Collateral Branches of Medical Scienceであった。 創刊から16年後の1828年、Dr. Warrenらは週刊誌Boston Medical Intelligencer(1823年創刊)を買収・統合し、誌名をBoston Medical and Surgical Journalに改め、週刊での発行を開始した。Dr. Warrenは1881年まで編集に携わった。

1921年、Massachusetts Medical Society による買収という大きな転換期を迎え、確固たる編集体制が敷かれるようになる。当時の所有者の一人Dr. Green は、1923年に「ニューイングランドのメディカルジャーナリズム史上において、適者生存と呼ぶにふさわしい存在である。Medical Intelligencer の形式と、The New England Journal of Medicine and Surgery の内容、そして両者の精神が受け継がれている」と誌面で述べている。

1924年には、 現在も続くコンテンツであるCase Records of the Massachusetts General Hospitalの連載が開始され、一流誌としての地位を築いた。その時点までに複数の学会の公式機関誌になっていたが、1927年にNew Hampshire Medical Society、Vermont Medical Societyの公式機関誌となったことを契機に、1928年、ついに誌名は、現在のThe New England Journal of Medicine(NEJM)となった。

NEJM は創刊当初から、科学・臨床に関する最新の報告を掲載してきた。世界初の報告例として、エーテル麻酔の公開実験(1846年)、椎間板ヘルニアに関する詳細な報告(1934年)、初期小児白血病の治療成功例(1948年)などがある。より近年では、AIDSの症例報告をいちはやく掲載し、その後治療法に関する論文を掲載した。そのほか、心疾患予防におけるアスピリンとコレステロール低下薬、慢性白血病や肺癌に対する分子標的治療の進歩に関する論文を掲載している。

創刊者
Dr. John Collins Warren
Boston Medical Intelligencer
エーテル麻酔公開実験の模様
The New England Journal
of Medicine and Surgery,
and the Collateral Branches
of Medical Science 創刊号
The New England Journal
of Medicineと誌名を変えての
初号(1928年2月23日号)

Masaki Kitajima, M. D., NEJM Editiorial Board(NEJM編集委員 北島 政樹 先生)

NEJM創刊200年を迎え、一言お祝いの言葉を述べさせていただきます。

NEJMは1812年、Dr.John Collins Warren(解剖学)がDr.James Jacksonと共に創刊し、今年で200年を迎えるに際し、編集委員の一人として誠に喜ばしく思うと同時に誇りに思っております。2001年に編集委員長のDr.Jeff Drazenから招待を受け10年間が過ぎました。177カ国60万人以上の読者がいるNEJMで私が最初に読んだコンテンツは医学生時代に1924年に開始されたCase Records of the Massachusetts General Hospital(MGH)でした。

1975年偶然にもMGHに留学する機会があり、実際に講堂で行われているCase RecordのCPCに出席した時の感激は37年過ぎた現在でも忘れる事は出来ません。

昨年、MGHが1年早く200年祭を迎え、編集委員会に出席した際に記念グッズを買い求めました。私の大きな財産はNEJMの200年祭にその年とその場所にいられたと云う事と同時に世界一流の雑誌がこのようにして生まれるというノウハウを実体験出来たことです。常にコンテンツの質を高める為に編集によって情報の新鮮さ、正確性や科学の重要性を保っています。これらの努力が世界最高のインパクトファクターに表われていると云っても過言ではありません。6月にはボストンで幾つかの記念事業もありますが、NEJMは今後も引き続き、時代の流れと読者のニーズに合わせて、様々な可能性を求め、医師に対しては患者の生命の改善をする為により良い臨床ツールとして配信されていくことを期待いたしております。


国際医療福祉大学学長
北島 政樹

Kiyoshi Kitamura, M. D., Editor of NEJM Japanese Abstract(NEJM日本語アブストラクト監修 北村 聖 先生)

The New England Journal of Medicine(NEJM)は、2012年で創刊200周年を迎えた。創刊された1812年は江戸時代後期にあたるが、この頃米国で創刊された医学雑誌がいまも発行され、いまも世界でもっとも権威ある医学雑誌であり続けているのは感慨深い。

近年のITを駆使した情報配信においても、NEJMは先駆け的存在である。たとえば、 WEB限定の“Videos in Clinical Medicine”では動画で情報を伝えている。基本的な臨床手技が解説され、まさに“百聞は一見にしかず”で、手技を確実にいつ・どこにいても学ぶことができる。

この創刊200周年という大きな節目は、あらためてNEJMの歴史を知るとともに医学情報の重要性を再認識するよい機会となるであろう。日本の医師も毎週提供される最新・最高水準の情報から、世界に通じる学識と見識を得る良い機会となることを期待する。



東京大学医学教育国際協力研究センター教授
北村 聖

Anniversary Messages(祝辞コメント)

The New England Journal of Medicine(NEJM)の創刊200周年、大変おめでとうございます。

200年前というと私の先祖が漢方医をしていた時であり、日本の医療の変遷をみると200年という長さが実感でき、その間、NEJMを発行し続けられたことに大変敬意を表します。

私がNEJMの名を知ったのは、学生時代です。何かの勉強会があってNEJMの臨床病理カンファレンス(CPC)を読む機会を与えられた時です。CPCでは1つの症例について基礎から臨床にわたり幅広く、かつ詳細に議論されていたのが強烈に印象に残っています。残念ながらその内容の記憶はありません。しかし、唯1例でも、よく勉強しないといけないことを教えてくれました。

それからかれこれ40年以上経ち、NEJMの歴史の中の5分の1と関わっていることになります。その間、自分の専門性が高くなり総合医学雑誌であるNEJMとの縁はうすくなっていきました。しかし、NEJMには鍵となる優れた論文が掲載され、専門領域であっても内容を十分に理解するためには何回か繰り返し読むことがありました。

NEJMは常に時代の先端に立った素晴らしい論文を掲載し続け、その存在は医学の発展になくてはならないものです。

私の研究領域では、最近デュシェンヌ型筋ジストロフィーのエクソンスキッピング誘導治療の治験報告が掲載されました。このエクソンスキッピング誘導治療は私達が提唱したものですが日本ではなかなか臨床へ進めることが出来ませんでした。そんな中、外国に追い越され臨床治療がなされてしまいました。少し悔しい気もしますが、NEJMに論文が掲載されたことで、世界から認知されたとのうれしい気持ちもあります。

このようにNEJMは片時も目を離せない雑誌です。今後も医学の中心的情報発信源として活躍されることを祈念します。



神戸学院大学総合リハビリテーション学部教授
松尾 雅文

皆様からご投稿いただいた祝辞コメント

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Present from NEJM(NEJM200周年記念プレゼントキャンペーン)

抽選で100名様にNEJM創刊号復刻版プレゼント!!
キャンペーン期間 : 2012年7月16日(月)〜 9月30日(日)

たくさんのご応募ありがとうございました。
※当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。

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Present from NEJM(NEJM200周年記念プレゼントキャンペーン)

『北村先生のNEJM旅行記』

NEJM日本語アブストラクトの監修者:北村 聖 先生が、NEJMの発行元である「Massachusetts Medical Society in Boston, USA」へ訪問、その後の「NEJM創刊200周年記念行事」にも参加されました。


旅行記を読む

『水谷達志さん、創刊200周年記念エッセイコンテスト入賞!』

6月22日にボストンで開催された「NEJM創刊200周年記念行事: Dialogues in Medicine: Physicians and Patients on 200 Years of Progress」に、創刊200周年記念エッセイコンテストで入賞された名古屋大学医学部医学科6年生 水谷 達志さんが参加し、感想をいただきました。

参加感想文を読む

『NEJM創刊200周年記念対談』

10月30日、読売新聞東京本社において「世界トップレベルの医学雑誌と医療の未来」というテーマで、関連の3人の先生による対談が行なわれました。

座談会を読む


北島 政樹 先生 国際医療福祉大学学長
井村 裕夫 先生 公益財団法人先端医療振興財団理事長
北村 聖 先生  東京大学医学教育国際協力研究センター教授